磐田戦

 晴れ、気温はマイナス10度。まだ、夜明け前なので晴れと言っても太陽が昇っているわけでもない。それでも昨日の良い天気で雪解けが進んだ。それと同時に道路のスタック対策に除雪が始まり、道路の角には排雪しきれなった雪が山のようになっている。

 昨日は、J2の開幕だった。それにしても時間が経つのは早い、これを書くとあたかも時間が伸びたり縮んだりするかのような比喩だが、それ程、去年の最終節から時間が経っていることに驚く。

 当然、静岡には行けないので、開幕戦は家でスカパー観戦である。

 今年の顔ぶれを見るのは初めてで、この試合、去年の最終節のスタメンから入れ変わったのは、石井、菊岡、上原拓、小山内、櫛引、金山と6人であった。

 これだけ入れ変わると連携に不安があるが、それでも戦わなければならないのは慣れていなくとも同じことである。そして相手が去年はJ1にいて今年降格した磐田とあって戦う相手に不足が無いというか、却って選手の勝って当然と言う思いが無く試合に入れたのではないだろうか。

 試合は、ポポ、松井のシュートなど磐田の攻勢で始まったが、その猛攻をしのぐと、磐田の出足が鈍くなる。その隙を狙い札幌がカウンターを仕掛けると、相手の選手がファールで止めFKを得る。

 そのFKを、砂川がGKの逆を突きゴール。見事なフリーキックだった。元札幌の藤ヶ谷もキックの時に右足に体重を掛けてしまったため左に反応するのが遅れた。それでも飛びついていたのだが左わきをワンバウンドしたボールが抜けて行く。

 藤ヶ谷も札幌にいた時は、J1、J2を行ったり来たりし、共に悔しい思いもしてきた選手である。途中、札幌の経営が苦しくなった時期(今でも経営は厳しいが)、選手の移籍が多くなり、その時にガンバに移籍していった選手である。

 あの時期、ステップアップとしてガンバに移籍したことは、彼にとってプラスだった筈である。更に、彼にとって札幌にいては日本代表に選ばれるチャンスを見つけられないという思いが有ったと思う。しかし、残念ながらガンバで活躍していたにも関わらず代表に呼ばれることは無く、最後は、チームがJ1に上がったにもかかわらず、彼だけJ2に居残りとなってしまった。あれだけ長年いたのだから最後はガンバで選手生活を終えても良かったのだろうが、そうはならなかった。

 試合は、札幌の粘り強い守備で相手にシュートを打たせても体を張り中々枠に飛ばさせなくしていた。更に金山もここぞという時にしっかりゴールを守り磐田に得点を許さず前半を終える。

 

 相手の磐田も、今年はJ2でぶっちぎりの優勝を飾り、J1復帰をもくろむための最初の大事な試合、札幌ごときに負けるわけには行かないという気負いが有ったのだと思う。更にここ最近札幌に分が良く、或いは苦手意識が選手の一部に有ったのかもしれない。

 そして札幌にとって1点差のゲームは、良い方に動いたようである。後半も磐田に攻めはさせるが、上手く試合をコントロールしカウンターを狙う。何度か好機が有ったのだが、最後の最後に相手の守備に阻まれ追加点が生まれない。そうこうするうちにペナルティーエリア内で宮澤が相手の選手を倒しPKを与えてしまう。この時点で、同点は覚悟していた。

 しかし、キッカーの前田のキックは甘く金山が弾き、そのこぼれ球に磐田の選手が走り込むがそれをも防ぎ、ピンチをしのぐと、日高、河合と守りの交代で相手の攻撃を抑え開幕勝利を飾った。

 試合というのは、得てしてこういうものである。絶対というものは無い。それは札幌にとっても同じことである。幾ら格下と言えどもこれまで何度苦杯を舐めてきたことか。しかし、守備さえ安定していれば負けることは無い。そういう意味で今節の試合は、選手に守備に体を張ることの大切さを心に刻ませたことだろう。

 タラレバであるが前半の松井のシュートが決まっていたら、磐田の一方的な試合になったと思う。サッカーの試合にとって得点が入らなければ試合に勝つことは無い。試合内容がどんなに良くとも負けは負けである。