育成

 雪、横殴りで吹雪に近い。真冬に逆戻りである。気温はマイナス1度。

 今日は、コンサドーレ札幌の試合がドームであるが、不思議と札幌の試合がある時は天候が悪化する。これは集客にとってはマイナスであるから、野々村社長の気苦労も種が増えたのではないだろうか。

 さらにJリーグに文句をつけるとしたら試合開始時間が1時というのもちょっと可笑しい。土曜休みの人ばかりだと何の問題も無いのだが、やはり土曜日半日仕事なり一日仕事の人も多い。それを考えれば試合開始時間を午後5時以降にするべきだと思う。土曜のナイターは寒いという問題があるが、ドームで行う場合それ程問題が無いわけで、試合開始時間の再考を求む。


 松山光プロジェクトが今年始まったが、最近の札幌の試合にスタメンで出ている若手が非常に少なくなった。何となくプロジェクトの成果が初めから見えない。

 

 若手を育てるのは、サッカー選手だろうが、一般企業の社会人一年生だろうが根本的な育て方に違いは無い。それは、木や花を育てるのと似ている。

 花や木にも種類があり、水分を欲しがるもの、余りいらないもの、肥料を多くいるものいらないものと種類によって育て方は違う。人も同じである。

 ただ一般的な話でいえば、水をやり過ぎれば根腐れし、肥料をやり過ぎれば却って肥料やけで枯らすことに成る。その加減が大切で、本当に水が必要な時に適量の水や肥料を与えなければならない。また日差しや、風通し、気温に気を使えば立派な花や木が育つ。その育て方さえ間違えなければである。

 花や木を手を加えて育てると温室育ちと言われ、環境の変化に弱いものしか生まれない。却って手を加えず雑草のようにひとりでに育った者を選ぶ方が優秀なものが育つと言ったような試練ばかり与えて育てようとする馬鹿なコーチも存在するが、そうやって育つのは一握りで、その中で多くの若者が犠牲になっているのを見て知らないふりをしているに過ぎない。

 たしかに均一に育て競争が無ければ頭抜けた才能は光らないかもしれないが、サッカー選手の寿命は短い。多くの選手は30代前半でプロ生活を終える。その短い時間にどれだけ選手として成長させることができるかでその人生が決まってしまうのなら、きちんとした育成方法で育てた方が良いに決まっている。

 今、コンサドーレユースは、札幌と旭川にしか無く、才能が有りながらプロの指導を受けずに芽が出ないうちに選手生活を終えてしまう少年がどれ程いるだろう。更に、U-18は、札幌にしか無くそこに入るのもそれなりのチャンスに巡り合わなければ辿りつけない世界である。

 できるならそういった適切な環境が道内に数か所あればそれだけでも可能性の確率を高めることができるだろう。だから、このプロジェクトは、世界に通用する選手を出すだけでは無く、サッカーができる環境の裾野をできるだけ広げて欲しいのである。

 野々村社長も、道内各地に拠点を設け、子供たちにサッカーを教える場を増やすと言っているが、出来るなら今年、U-15の拠点を函館、帯広、北見、釧路辺りに作って頂きたいものである。そういった環境は、出来るだけ早く動かすほど効果的である。

 そのためには、あのプロジェクトの募金は、微々たるものであるのは承知である。それに賛同してくれるスポンサーをどこかから集めなければそれが実現しないのであれば、それも併せてこの運動を進めて行かなければならないだろう。事はそう簡単に進まないのは判っているが、それを進めなくては何も始まらない、慎重に事を運ぶのは大事だが、それだけでは無く、大きな風呂敷を広げてみるのも良い事だと思う。