東京V戦

 晴れ、今の気温は3度。日中は20度を超える予報。寒暖差が20度あると体調的には順応するのに大変である。


 東京V戦、CSで観戦。

 試合の見せ場は、前半開始早々の榊選手のヘッドと宮澤選手のミドル、後半の奈良選手のヘッドが札幌にとって決定機だった。

 相手は連戦の疲れから徐々にプレスが緩くなり守りを固めた感じになってしまった。それに対応する札幌も何時もの通りのノーアイディアである。

 ハッキリ言ってしまえば、そろそろ監督の能力の限界が見えてきた感じがする。それなりに選手を纏めているが、やはり勝ちきれない試合が続き、更に先発メンバーや選手交代の策が決まらなければ仕方が無い所である。そろそろ監督批判がささやかれ始めても致し方ないところ。

 結果はそこそこ出ているが、その勝ちも札幌の型に相手を嵌めて奪ったものでは無く、何となく相手のミスがらみで決めた試合という印象が残る。それも最少得点で勝利した試合ばかりだから印象に薄い。何となく、去年の成績から選手が成長しもう少しやれるという思いの中で戦うため、駒不足の感が否めない。更に言えば、補強した外国人選手が表に出てこず何のために獲得したのか不明のまま終わりそうな感がするのもチームに停滞感をもたらすのだと思う。

 そして11日間で4試合ある中で、何故、ここまでベテランに拘るか不明の所が一番である。確かに河合主将は頑張りを見せている、ヘロヘロに成りながらピッチを走る姿は、若手に見せてやりたい。あの動きを若手がしてくれればといつも見ていて思う。それに代わる若手が出てこなければといつも思う。更に、砂川、日高選手の2人もこの後の連戦で全て出場させる気でいるのかと思う。

 

 疲れていても、それでも代りの選手がいないとは思えないし、代わりの選手がいないほど選手が足りないのかと思うが、所属選手は、去年と比べれば雲泥の差である。

 今後、上里、深井が復帰する予定らしいが、この怪我明けの二人が直ぐにフルで戦えるとは思えない。怪我明けで再発も怖いので慣らしながら試合に入るだろう。更に小野選手が加わればという淡い期待がある。更に怪我で休んでいる内村選手もそろそろ復帰するだろう。

 比較に成るが、今破竹の10連勝と波に乗る湘南は、攻撃に入ると選手全てが手を緩めない。必ずシュートで終わる。そのため相手側もその反撃に備え、全員攻撃に移れない。バックラインは引き気味になる。そしていくらゴール前を固めても相手の圧力でセカンドボールを展開できず攻撃を受け続ければ選手は、考える能力を失い失点してしまう。まさしく勝利の方程式である。

 それに比べ札幌の攻撃はどうか。攻撃のリズムは一定で、速攻ができない場合、必ずボール回しから始まる。そのため相手に守りを固められ、それを崩すような正確なミドルは無く、打っても宇宙開発ばかりだから、遠目のシュートは、あまり意識しないで済む。更に攻撃の起点は前田選手を経由するから、そこにボールを持たせてパスを封じれば、シュートは無い。サイド攻撃もあるが、良いボールを上げれる選手がおらず、中の選手もそれ程シュート精度が高くないとなれば、ゾーンで守り相手のシュートコースを防ぐ動きをすれば良い。

 そういった守りで試合を行えば、簡単に崩されて失点することは無いと相手は判っている。怖いのは速攻を如何に封じるか。それに対しても相手がボールを持ったら急いでゴール前に戻る意識を持てばそれなりに防ぐことは可能である。それ程足の速い選手がいないからである。

 こうして札幌の厳しい戦いが続く。幾ら内村選手が復帰しようとも、一人で打開することは不可能で、この先の展望が無いまま指揮を執るのは並大抵では無い。それでも勝ちきれない責任は取らなければならない。

 ことしJ1復帰を目指すなら、監督交代の線もそろそろある。今年も選手の育成に努めるという考えならば、もうそろそろ若手主体のチームに衣替えする時期である。J1に上がったとしても、勝てるチームに成らなければならないのだし、その時もまだ今の選手が殆どだったら定着は不可能である。