ウイグル自治区テロ事件

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引用 時事通信http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2014043000976&j4) 

中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチ市内のウルムチ南駅の前で30日午後7時10分(日本時間同8時10分)ごろ、大きな爆発が発生した。国営新華社通信は死傷者が出ていると伝えた。中国紙・新京報が中国版ツイッター「微博」で伝えたところによれば、50人以上が負傷し、病院に搬送されている。

 習近平国家主席は27日から30日まで、就任後初めて新疆ウイグル自治区を視察し、反テロ闘争の強化を指示した。現時点で爆発がテロかどうか不明だが、視察直後に爆発が発生したことで、習指導部は大きな衝撃を受けているとみられる。

 このニュース、国営新華社通信がまず伝えたらしい。それを時事通信が拾い各新聞が続いて報じた。今、中国国内では、そのニュースに関して報道規制が掛かっているらしい。

 ウイグル自治区から発生するテロ事件は、組織的に整備されたテロ組織が行っている様子が伺え、国を挙げての撲滅作戦は困難を極めるだろう。もし、中国政府が本気を出してこれを解決しようとするなら、ウイグル自治区の住民を根絶やしにするような行動をとるか、自治区の住民の多くが中国政府に従うような飴を与えるしかない。

 以前の何かの記事の中で、ウイグル自治区の中からウイグル人を排除し漢人を移住させウイグル人を少数派にする政策がとられたと読んだことがある。それも、上手く住民を融合させることが出来ればよかったのだが、排斥による人種対立が起こり火に油を注ぐ結果に成った様である。

 もし、ここでウイグル自治区ウイグル人の国として独立させ傀儡政権を樹立させ、中国と友好関係を結ばせるといった離れ業も可能だが、それは、他の地方の政治を不安定にさせる可能性が強く、今の中国政府にとっては無理な事でしかない。

 そして、今は、テロ撲滅作戦と、資本投下という飴と鞭作戦が行われている最中という事らしいのだが、どこまで中国政府がこの難局を解決する方法を見つけられるか見ものである。

 もともとウイグルは、モンゴルに接し、更にその北と西には、カザフスタンキルギスタジキスタンアフガニスタンパキスタンといった国と接している。その地理的位置でいえば、ウイグル人は、コーカサス人と近い人種である。

 画像検索で、ウイグルと検索するとそこに映っている人たちの顔立ちは、明らかに中国人とは別であると感じさせる。

 人間は、顔や肌の色で知らずの内に縄張りを意識する。それは、本能のようなものである。それが強まれば人種差別となる。それは、全ての人間が持つ性である。

 今回の、テロ事件の元を辿れば、自分たちと肌の色や顔立ちが違うという事から生まれた差別的な行為が発端だろう。祖関係は、征服者と被征服者の関係と言って良い。

 今、世界各地で起こっている独立運動の多くは、そういった人種の存在を問うような形で発生する。姿かたちが同じ者同士が住む国を作ろうという動きである。ただし、その独立運動がしばしば迷路に迷うのは、同じ姿かたちをしていても考え方は異なるという事である。

 このようなテロ事件が得てして不幸な結果に成るのは、そういった考え方の違いから生まれる組織内の対立から、過激な行動をとる派閥は、独立して行動を起こし、結局穏健派と呼ばれる人たちも争いに巻き込まれてしまうという事である。

 その悪の循環は、一度始まってしまえば、そのエネルギーは無尽蔵に沸きだし、それを絶やすことは無い。何世代にも渡り憎しみは連鎖を続ける。幾ら根絶やしにしようとしてもどこかから生えてくる雑草のようなものである。一度始まれば何時かまた火柱が経つ状態が永遠に続くと言って良い。

 今回の、火に油的な行動は、既に連鎖を続けている。テロ事件、それに対する取り締まり、報復行為、テロ事件と永遠に続いて行く。もし、これが武力で平和的に解決できるならアフガニスタンの平和は、米軍がもたらしているだろう。それを解決させない何かが動き、それがまた他の地域に伝搬していく。その戦場にウイグル自治区がある。

 こういった活動を支える資金がテロ組織に流れていることも事実で、それを合法的な活動で得ているとは考えられず、こういった組織に援助することで利を得る何ものかが存在し、その活動を支えていることは素人考えでも明らかである。

 これが、我々が住む世界の現実であり、日本だけがこの先も例外的に免れるという事は永遠に無い。この先、移民受け入れと共に、国際化が進めば、国内の過激派も行動を起こすだろうし、日本の混乱により得をする何ものかが現れてこないとも限らない。

 そういった視点で今回の事件を見ることも必要である。