プロ野球防衛軍撤退

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引用 スポニチhttp://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/03/15/kiji/K20160315012217440.html) 

巨人と日本野球機構(NPB)は14日、巨人選手が1試合につき約13万円が動く現金のやりとりを行っていたことを明らかにした。試合前の円陣で「声出し」を担当した選手が勝ち試合で金銭を受け取るなどの内容。3選手が無期失格処分を受け、今月8日に高木京介投手(26)の関与も判明した野球賭博問題に続く金銭絡みの実態判明に、高橋由伸監督(40)は沈痛な面持ちで謝罪の言葉を述べた。

 今まで、巨人の選手たちが起こした賭博行為に関する報道は明らかにおかしかった。普通ならとことん追いかけ倒すマスコミも食いつかず、まるでプロ野球を守る野球防衛軍がマスコミ界に存在するような雰囲気だった。

 そして、巨人の渡辺最高顧問が引責辞任を境に徐々に隠されていた情報が露出し始めた感がある。これは、そんな感じがあるというわけで実際そのような組織が有ったか不明だが、2020年の東京オリンピックを迎えるに当たり、正式種目に加わるかどうかの争いをしていたわけで、オリンピック種目に野球を加えたい方々にとって、巨人の醜聞は邪魔でしか無くこれ以上燃え上がらせれば間違いなく野球は採用されない。その点でプロ野球側と利害が一致していた。

 しかし、ここにきて隠された問題が明らかになるという事は、読売の渡辺さんも庇えないほど巨人の内部がグタグタで統制が効かない状態になっていたことを察知したのだろう。これ以上庇っても自分にメリットが無いと判れば手を引くのは早い。

 巨人というのは球界の紳士たれと宣っていたが、決してそんな組織では無い。親玉からして自分たちのメリットに成ることだったらルールを破っても構わないという組織だった。その一つが、江川問題だろう。そしてそれを叩きに叩いたのが朝日新聞系ということになる。あの頃の読売新聞と朝日新聞の部数拡張合戦は熾烈だった。お互い足の引っ張り合いをすることを常に狙っていたから、一端火が付けば、お互いの面子を争う形に成った。

 それからである。ドラフト制度に手を加え公明正大を旗印に掲げたが、桑田の借金肩代わり問題があり、一場の栄養費問題があり、髙橋の裏金、原の一億円と叩けば叩くほど埃が絶え間なく出る球団になった。だからと言って他の球団が身綺麗というわけでもない。

 しかし、この問題もプロ野球暴力団がらみの勢力との付き合いが全くない環境では無いということが新たに証明されたというわけでは無く、以前から出来上がっていた関係が偶々表に出てきたと言うだけである。

 一昔前までのプロ野球なら大問題だったろうが、人気の低迷と共に既に世間からは見放された存在に成ろうとしている。このまま小出しに不祥事を出して行ってもプロ野球に何のメリットもなく、人気を失うだけだろう。

 もし、このまま続けていくにしても大相撲のように一度自分たちで改革するようなパフォーマンスをしなければこの先は無い。

 一つの権力争いが終わるという所に何らかの節目が訪れ、それに今まで積りに積もった汚れが洗うだけでは落ちない組織に成ったことを世間に知らしめたという事である。

 しかし、このことはJリーグにとっても他山の石である。幾ら身ぎれいにしようとしてもどこかで権力争いが有りそこに裏社会とのつながりが出来やすい。更に選手にしてもたいした能力の無い選手でもチヤホヤされることで隙が出来やすい。そういった事は、何年もかけて形作られ、抜き差しならない所で露わになる。FIFA汚職にしても永年権力が続くと必ずその利権に群がる者が生まれるか近づいてくるものである。