パナマ文書公開日

 曇り、気温は12度。

 今日の未明、ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)を通じて全データが公表された。

引用 NHKhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20160510/k10010514431000.html

世界各国の首脳や富裕層の隠れた資産運用を明らかにした「パナマ文書」の問題で、各国の記者でつくる団体は日本時間の10日朝、文書に記載されていた20万社を超える法人や関わりがあるとされる個人の名前を公表しました。中には日本人とみられる名前もあり、専門家は租税回避地、いわゆるタックスヘイブンの利用の実態を明らかにする情報だと指摘しています。

 このデータは、今年の初めころから徐々にその内容が出始め、国家破産の危機を迎えたことがあるアイスランドの首相がパナマで資産を運用していたことが明らかになり辞任した。

 イギリスのキャメロン首相の家族の名前もあり、各国の政治家の名前があるのではないかと言われていた。

 今朝のニュースで大々的に扱うかと思ったが、ほとんどニュースの記事として流れることは無かった。この温度差は、日本では一応、タックスヘイブンにお金を移動したとしても適切に申告していれば脱税に当たらないとされているからであるが、この適切な申告が問題である。

 納税者の課税対象額を決めるのは税務署の仕事である。納税者の多くはサラリーマンであるため会社単位で適切に処理されていれば大きな脱税は起こらない。しかし、問題は、会社組織が大きな脱税をしている場合である。タックスヘイブンで問題なのは、タックスヘイブンで設立した会社同士で資金のやり取りがあった場合、その取引の内容は不明で、納税者の自主申告でしたそれを把握できないということである。

 今回名前の挙がった楽天三木谷社長も、適切に自主申告を行い、タックスヘイブンの会社に投資しているだけで利益を上げていないと説明すればそれ以上の調査はできないということである。調査権は日本の税務署には無いからである。


 タックスヘイブンに会社を設立し、その設立(資本金等)資金を送金する。その送金された金がどのように使われたかその先は不明である。その金が別な会社に移され、更にその会社が別のという感じで資金を移動させてしまえばあとは行方不明である。そしてその資金が、例えば匿名化できる海外銀行に預けられればそれで隠し財産ができるという仕組みである。その資金を日本で下せば調査される可能性があるが、海外で下す分には何の調査も入らない。

 こういった仕組みは、日本国内のアンダーグラウンドな場所で発生する資金で同じことをすれば、何の調査も入らない資金となる。それを還流してまた日本国内で運用すれば、日本政府が全く補足できない資金が運用されることになる。資本主義の政府は、資金の運用を行う際に取る税金という名の手数料で運営しなければならない。

 もし、そういったタックスヘイブンが今後ますます利用されるようになれば、資本が流れるたびに徴収できた税金という概念が崩壊する。正しく国のために申告している者と申告しないで税金を納めない人間が国内に存在すれば、正しく税金を納税したものに不公平感が生まれ、正しく納税しない方へと流れができてしまう。

 そうすると納税の義務というのが形骸化し国として成り立たない恐れが出てくる。国民の義務というものが果たされない場合、国としての存在意義を失うことに即つながるだろう。

 このタックスヘイブンを利用した税金逃れを許していては、世界に国という存在を許さないことに通じるだろう。それはそれで、新しい世界が生まれるが、お金を持つものが偉いという世界になる恐れがある。国民が平等な生活を送るためには、やはり国という組織があって初めて成り立つ。平等な生活を保障する財源が税金なのだから、税金という原資が無ければ何もできないということになる。

 今回の問題は、やはり階級問題に通じると思う。持てる者は更に富、持たざる者は更に貧しくなり、金や権力を持つ者に支配されるような社会になるということである。その未来は、今の北朝鮮といえるだろう。