光陰

 晴れだけれどまだ夜が明けていない。朝日が丁度東の空の片隅に顔を出したところである。気温はマイナス17度。

 今年のいよいよ残すところわずかとなってきた。来週は週末に天皇誕生日があるため一層慌ただしくなるのだろうと思う。そうなると今週末はなんとなく過ごす土日ということになるわけである。言うなれば月の中にある狭間というわけである。

 自分が感じる週末のイメージと他の人が感じる週末のイメージはそれぞれ違うのは当たり前のことで、忙しい人もいればそうでない人もいるだろう。

 しかし、人間社会は何かと終わり始まりを節目にしたがるものである。年の終わりの大掃除とか年度終わりに初めにある試験、入学式など大きな行事は年末か4月の年度替わりと決まっている。そういった世間の流れに逆らって時間をずらしても周りが慌ただしいのでこちらも何となく落ち着かないことになる。

 ただし、そういった時期は嫌なことを忘れることができるきっかけにもなる。それまでのことを忘れるための区切りに何かを変えることである。それはみんな慌ただしく過ごすこの時期にしかできないことかもしれない。

 ただし、何か新しく始めようとするなら区切りなど無視してやったほうが良いのかもしれない。誰もやっていない時にやるほうが目立つし、みんなが一斉に動き始めるときにしても埋もれてしまうだけだからである。

 一年の速さは光陰と同程度であると今さらながら気づく。