煽ることがお祭りなのである

 晴れ、気温は14度.これからぐんぐん気温が上昇しそうだ.

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 この人からすれば最悪の事態を考えて話すことは当然である.大会が感染拡大を生まなくスムーズに終われば、この提言もいつか忘れられるが、もし大会を開いたことで感染が爆発すれば批判の矢面に立たされるのは間違いないからである.その重責を担う人がどんどんやれ安心ですと言うわけがない.自分がもし同じ立場であれば同じことを言うだろう.

 

 それを知っていてマスコミはここぞとばかりその発言を取り上げる.こちらの立場も当然である.オリンピックが開かれる前に感染の危険性を報道しておけばマスコミは正義を報道していたのだとアリバイを言い立てられる.更に言えば、マスコミはそういった批判の渦中の中で政府が強行開催すればそれなりに事件になり紙面を埋める記事は書けるし、成功裏に終わってもその期間中はオリンピックの話題を取り上げることができる.こちらも政府がオリンピックをやるつもりだということを見越してそういった記事を書いているわけである.

 本当に国民の命を大事に思っているのならコロナウイルスを防ぎながら経済を回すしか方法が無いことを知っているのだが、簡単にロックダウンしろだとか飲食店が店を閉めることで苦しんでいるという両方の記事を書くことができる.

 例えマスコミに、あなたたちはどちらの立場なのと問い詰めても自分達は事実を報道するのが使命です.それによりどういう影響があろうと責任は取りませんということになる.

 

 世間は生贄を常に求めている.非難する対象が現れればそれに対して一斉に攻撃の声を上げる.相手が根を上げて土下座するまで止めようとしない.その傾向は、誰でも言葉を発することのできるSNSの登場が輪をかけている.

 

 上にあげたようにSNSの力は既存のマスコミを圧倒し始めている.マスコミもSNSからの情報発信を取り上げることが多くなってきた.その関係は、ある意味マッチポンプの威力を底上げしたと言って良い.この先、騒動を焚き付けることをSNSを通じて行う事が主流になりマスコミもそれに乗っかることになると思う.

 昔は世論を誘導するのにマスコミを利用していたが、トランプ登場以来その流れは徐々にSNSに移行している.しかし、今はその過度期であり、SNSを信頼する層と従来のマスコミを信じる層と2極化しているがその比率も時間が経てばSNSに流れる情報が大衆の情報源となってくるだろう.

 ネットを使いこなすにはリテラシーが必要だと昔から言われているが、そのリテラシーは、学んで身に着けるしかない.もし、そういったことをしないでこのネットの海に投げ出されたならば、情報の渦に飲まれ自分が何処にいるのか何処を向いているか判らないまま浮かんでいることになる.

 

 今回のオリンピック開催に向けて慎重な対応が必要なのは間違いない.しかし、きちんとした対策をとれば被害は最小限に抑えることは可能である.その対応の時間を作り出すには、それなりの準備が必要だが、それに対する仕組みを作り上げるしかない.これだけ大騒ぎになるような催し物を強行することに意味は無いことだけは確かである.