ウクライナ領土 政教分離の問題

 曇り、気温は19度.昨日の暑さが残っているようだ.今日日中も気温が上がり夏日になる予想.

 

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 昨日、プーチンウクライナの4州を併合すると発表した.その中でウクライナ軍はロシアに占領されていたドネツク州を奪還しようとしているわけで、これをしても住民の90%以上の同意を得たという事実は認められないことになる.ということをロシアに行っても馬の耳に念仏だろう.

 

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 政治と宗教の問題である旧統一教会の件、旧統一教会側がテレビ局とそこに出演していた弁護士を訴えた.その理由は、テレビ番組内のコメントで事実でないことを話したという名誉棄損でである.マスコミは、こういった宗教団体からの訴訟に対して弱腰である.今まで、そういった抗議を受けると潮が引くように一斉にマスコミは話題にしなくなる.そういう意味でマスコミは村社会でもある.

 

 しかし、ここで問題なのは政治と宗教の関係である.日本国憲法の中に政治と宗教の関係を現した部分がある.

第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。
いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
② 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
③ 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

第八十九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

この文章を読めば、普通は政治に宗教を持ち込まない代わりに信教の自由を保障しようとしていると解釈できるのだが、実際は、グレーゾーンに包まれている.

 大きな例は、靖国神社を筆頭とする神道である.日本古来の宗教として存在し、公的な行事の中で神主が登場し清めの行事を行う.そこに当然政治家も出席する.天皇家神道と深いかかわりを持っている.

 これがしばしば話題になるが、これが許されるならということで他の宗教も政治に絡んでくる.その絡み方は旧統一教会でも問題となった選挙の応援である.多くの新宗教の組織が色々な政治家と絡み推薦を受けている.そこにあるのは宗教団体がもつ信者の組織票である.当然戦況の応援を受け当選すればそれなりの見返りを求められるのは当然である.

 日本国内の宗教団体は基本的には無税で有り、営利活動も許されている状況は宗教に係る政治家が優遇しているということになる.

 また、公然と政治活動として政治団体を作り政党を作ったところもある.それが公明党である.建前は創価学会とは別としているが、誰もが創価学会の指揮を受けていると考えている.その件も政治家が見て見ないふりをしているのが現状である.

 今回の旧統一教会の件もそうなのだが、厳密に政教分離が図られているかというと計られていないというのが現状である.

 日本は民主主義国家なのだけれども、選挙で議員を選ぶ際、議員は特定の団体と結びついて選ばれている.その特定の団体は議員を応援することによって自分達の利益になる法律を作ってもらおうとする.そういう点で民主主義で選ばれているというより特定の団体の利益代表者が国会議員に選ばれていると言える.そして影響力を持つ団体の一つが宗教団体である.

 

 民主主義のバランスは、そういったことが陰で認められて問題視されていなかったことが一度おおやけになると排除されるということである.今回、自民党が旧統一教会との縁を切ると宣言しているが、もしこれから行われる選挙でも旧統一教会の援助を受けていることが明らかになればその国会議員は非難されるのは必至で当選するのも危ういかもしれない.それが見えないバランスである.

 だからといって直ぐに公明正大に政治が行われるかというとそうでもない.いつの間にか別名で復活したり、どうしても手を切れぬ議員が存在する.既にその議員がその宗教にどっぷりはまっている場合である.その議員が権力を持てば持つほど日本に政治に影響を与える.故安倍晋三氏もそういった抜き差しならない関係に近付いていたのかもしれない.

 古来から日本の指導者には清濁併せ呑む資質が求められた.清い流れの中では魚も住み着けないという事実もある.多くの人は政治家に清廉潔白を求めるけれど、実は自分の利益を求めるために政治家に近付こうとする人は大勢存在する.それは与党も野党も同じである.自分達の組織のためになるなら大衆の利益より組織の利益を優先する.それが現実である.その2面性を使い分けるために政治家は生きている.

 今回旧統一教会の影響力を国会内から排除することはできるだろうだろう、しかし、今後も第2第3の旧統一教会が出現することは防げないだろう.