サミット

今日は昨日より空は心なしか明るいようである。それでも予報は、曇りのち雨ということである。


 サミットもいよいよ終わりに近づいた。前回のサミットがドイツで行われてから一年が経ち、さてその時と比べ世界はどれくらい変わっただろう。

 今回主要8カ国のメンバーで強力な首脳は最早存在しない。ブッシュ大統領などは、昔の勢いは既に無くまさに「レームダック」である。イラクに攻め入ったあの迫力は微塵も無く、さらにあの小泉元首相とのサミットごとに繰り返された友好関係を示すシーンは無く、ブッシュと福田首相の距離を感じさせる状況である。

 日本にとっては、余り有意義な会議とはならなかった印象がある。さらに支持率低迷に喘ぐ福田さんにとって何らかの成果を上げるチャンスであったわけだが、主要8カ国の足並みがそろっているわけではなく、既に主要の地位にあるのか疑問符が付く国もメンバーに含まれているわけであるから徐々にその存在意義も失われ始めているといって良い。

 更に言えば、この会議と国連の関係も微妙であり、更にEUの存在も曖昧なところに持って中国、インドなどの国が追加されこの先世界の情勢はどこで決まるのか徐々に不透明感を増したといってよい。

 本当は、サミットそのものが緩やかな同盟関係であったわけである。同じような主義主張を持つ国が集まり意見交換をすることで世界の流れを自分たちにひきつける目的があった。
 しかし、新たにメンバーに加わろうとしている、中国、インドなどは、同じような同盟関係を結べるか疑問符が付く。サミットの地位低下を食い止めるために徐々にメンバーを追加していくことは今後分裂の危機を孕んでいるといえる。

 EUが加盟国を急激に増やしたため、EU内で格差が生じ統制が取りにくくなった現状と良く似ている。それがサミットにも言えるし、国連にも言えることである。今後、アフリカ、南アメリカ、東南アジア、中東、それぞれの国の思惑を組み込みながら徐々に変化していくのだろう。
 それが混沌なのか融合なのかそれはわからない。