酒井容疑者

 昨日の夜から振り出した雨は、今日の朝方には止んだ。依然空は灰色の雲に覆われ何時また雨が降り出してもおかしくない天候である。今日出かけるには傘が欠かせない。

 今日も朝から酒井容疑者の話題が上がっていた。この程度の犯罪なら確かに何時もなら起訴しないで終わっていた事件である。それがこれまでの麻薬の蔓延を招いた一つの原因だった。

 何故なら、その後の治療などのフォローをせずまた巷に戻してしまっては、再犯をしろといっているようなもので、どんどん重症化するのは目に見えている。

 最終的に廃人になったような人を治療施設に送るか、死ぬのを待つような状態である。その間に精神に異常をきたした者が犯罪を犯し、何の罪もない一般人が被害に会うことを黙認していたからである。

 警察は、治療施設でもないし、保護施設でもない。犯罪が起きればそれに対処するのが仕事であり、犯罪を犯しそうな人を事前に見つけて摘発する事は出来ないわけで、その前に対処する機関が必要なのだが、それがあることさえ知らないのが現状である。

 今回の事件、この程度の犯罪で何事も無かったように済ますことは簡単である。もう薬は使わないようにしなさいと説教して帰す。でもそれが何の抑止力が無く、更に犯罪を助長する結果になることを今頃警察は気付いたのかもしれない。

 更に今は選挙期間中である。これは憶測でしかないが、今回の事件に元弁護士の肩書きの付く人物が浮上している。素人考えなら、この元弁護士の力で、事件は有耶無耶のうちに解決する手はずだったのかもしれない。

 いつもなら手を回せる、国会議員の影響力が弱まっているためこのままズルズルと解決しない原因と考えられる。何故なら、もしその先生が何時も通り影響力を発揮して手を尽くしても、その言う事を聞く警察幹部としては、選挙後に政権が変われば責任を問われる可能性があれば積極的には動きにくい。その事が後々問題になる可能性もあるからである。と想像してみせることもできるだろう。

 それ程今回の事件の警察の迷走振りを見ると勘ぐらざる終えない事件である。