思い出

 曇り、太陽は全く顔を出していない。家の庭も夏の盛りになり花というより葉が目立つ状態になっている。

 何日か前の帰り道、夜空を見上げていると本当にふいと昔の記憶が蘇ってきた。その暗い空の色しか共通点は無いのだが、自分が小学生の頃見た夜空もこんなようだったという思いから、昔、同じような空の景色を見ていたころの自分を思い出したわけである。

 なぜだか鼻の奥が痛くなり涙が出そうに成った。あの頃自分がこのようになるとは想像すらできず、自分がどのようになると考えていたのだろうと思い出そうとするが何も思い出せなかった。

 空の周りの景色は全く違うが、やはり昔と空の色は同じである。