逆転無罪

 夜中に雨が降ったようで路面が黒く光っていた。通り雨くらいの量だったらしく所々乾き始めている。朝の気温は、徐々に低くなって秋の気配をみせている。この分だと冬の到来は、直ぐだろう。残暑が長引き、秋という感じがしなかったが、時間は予定通り進むということである。


引用 読売新聞(http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukuoka/news/20100916-OYT8T01103.htm) 

「萎縮せずに働ける」 医療・介護関係者ら安堵
 入院患者の爪を深く切った行為を「正当な看護行為」と認定し、逆転無罪を言い渡した16日の福岡高裁判決。医療、介護の現場で働く支援者からは「これでやっと萎縮(いしゅく)せずに働くことができる」と安堵(あんど)の声が上がった。

 この事件そのものの状況が不明な部分が多いため余り言葉を挟むことは出来ないが、一般的な医療行為として、患者の爪を切ることは認められるだろう。ただ今回のように、深爪をしたり爪が剥がれるという事実は、ケアの一つだったとしても慎重な行為が求められ、医療事故の一つとして報告されるべきものであると思う。
 
 その医療事故の一つとして考えるなら、当然この範囲の出来事が刑事事件と成ることは、医療行為の一部分として現場を萎縮させることに繋がりかねないため、今回の判決は妥当だと思う。

 このような一件些細なことでも状況によっては何とでも取れる場合に医療関係者は、必ず医療行為を複数人の立会の元で行うことが必要になるだろう。
 単独の行為である場合、確認する人がそばにいなければ正当な行為も事件にされてしまう。また逆に言えば、密室であるがゆえの恐ろしさも生まれてくると思う。

 日本では、医療は神聖なものと考えられてきたが、徐々に患者の権利が強調される余り、病院で何か問題が起きることが許されなく成って来ている。
 医療ミス、人間の生命を預かる場所としてあってはならないことである。しかし、人間である限りミスは必ず起きる。それは、予防しようにも予防できない部分も必ずあり、それに如何に対処するかが医療の役割でもある。
 その部分の考えが、医療関係者と一般の医療を知らない人の間で解釈の仕方が異なっていると言える。

 今回の件も、そういう意味で医療従事者と患者の関係というものを見直すものとなって欲しい。