雪山

 曇り、気温はさほど低くなくマイナス5度前後である。

 昨日の夜中に排雪されたらしく、道路の両脇に会った大きな雪山がすっかり消えている。雪国の宿命なのだろうが、この排泄費用はばかにならない。

 過ごしやすい暮らしを求めるためのコストだろうが、春になれば融けてしまう雪に何故これ程のコストを掛けるかというのをもっと道民は考えなくてはいけない。毎年費やされるコストの代わりに何か別な方法で雪山を利用する発想の転換が必要である。

 例えばエヴァンゲリオンの都市ではないが、冬の間は、地面から筍のように伸びあがり雪が地面に積もってもその上で生活できるような都市づくりである。いうなれば2階建ての都市構造である。

 昔のSF映画なら簡単に作り出された近未来の都市は、今の日本では中々実現しそうもない。一時期、日本にもあったバブルの時代、近代的なビルが建ち始めたとき、もしかするとそんな未来都市がこのまま出来上がるかと思った。

 そのできるかと思った一部分が、東京副都心であり、横浜であり神戸ポートアイランドである。

 何故、あれ程の勢いがあった日本がこれ程老化してしまったか、それは単に周期的な波なのだと思う、勢いは何時か失われるそれが定めである。その勢いを失わないようにするのが政府の役割であるが、全ての国民が頂点に立った日本を急ぎすぎと感じてしまったが最後、誰もがタガを緩めてしまった。

 話を戻すが、北海道で快適に冬場を過ごすには、やはり排雪がキーとなる。如何に降った雪の処理をするかがカギである。その一つの方法として砂川の市内には排泄のための流雪溝がある。この流雪溝は、地元にある火力発電所の温排水を利用している。

 これは溶かして捨ててしまう発想だが、もう一つの方法は、貯めて夏場に利用するという方法がある。もし可能なら、札幌の雪排泄場に強大なドームを建てその中に雪を排泄すれば巨大な冷蔵庫が出来上がるだろう。

 そこに倉庫を建て、更に冷気を各家庭に送れば相当なエネルギーの節約になる。そうするためには巨大な資本が必要だが今の北海道にはそのお金が無い。

 

 雪山による冷気がパイプラインのように東京へ移送できるなら東京のヒートアイランド現象は解消するだろうし、北海道にとって重要な産業になるだろう。

 それを実現するのは、色々な問題も多いのは承知の上での空想である。でもやはりこの北海道の冬を快適に過ごしながら更にそれを産業として役立てるようなそういう技術や学問が北海道の中でもっと生まれることを望む。