リビア

 曇り、それでも空は明るい。気温も0度に近いプラスである。昨日の風はまさに春一番だったのかもしれない。今まであれだけ積もって視界を妨げていた雪の壁もみるみる融けていく。春は本当に近い。しかし、以前3月に大雪になった記憶があるので油断はできない。


引用 47news(http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011022401000015.html) 

リビア死者、640人と人権団体 2千人死亡説も

 【パリ共同】各国人権団体の連合体、国際人権連盟(FIDH、本部パリ)は23日の声明で、リビアでの反政府デモ開始以来、治安部隊の弾圧などによる死者は少なくとも640人に達したと発表した。また、フランス週刊誌ルポワン(電子版)は同日、リビアから戻ったフランス人医師の話として、北東部の主要都市ベンガジだけで死者は2千人を超えるとの推計を報じた

 ここ日本に住んでいると、どうしても思考が偏る。この平和な国だからこそリビアや中東で起きている混乱に対して、どうしてと思う。

 この自国の国民をいとも簡単に殺害する指導者という存在自体が許さざる存在なのだが、未開の地の部族間抗争と思えば不思議ではないのかもしれない。

 日本でいえば、暴力団同士の抗争事件の様なものなのだろう。それでも日本の暴力団も血を血で洗う抗争はこのところ聞かないから、ある意味戦闘力に陰りが見えてきたのだろう。

 昨日も書いたが、死を恐れない抗議活動程恐ろし物はない。力で抑え込めると思っていたら、その死を恐れず地面から湧き出るような活動が起これば今まで暴力で支配してきた指導者もお終いである。

 更に、暴力でしか反乱を抑え込めない指導者は、いつかその暴力で倒されるというのは、自然の摂理で、サル山のボスの力が衰えればその次のボスにサル山から排除されるという動物社会の原理に則った法則で物事は動くのである。


この件で、やはり心配なことは、石油の高騰である。

引用 日本経済新聞http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C938183E09B9C8B82918DE0E6E2E0E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2) 

NY原油、一時100ドル台に上昇 2年4カ月ぶり高値

【NQNニューヨーク=川内資子】23日のニューヨーク・マーカンタイル取引所原油先物相場は上昇した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で、この日から期近となった4月物は前日比2.68ドル高の198.10ドルで取引を終えた。リビアの政情緊迫を手掛かりとした買いが続いた。一時100ドルちょうどまで上昇し、期近物として2008年10月2日以来約2年4カ月ぶりの高値を付けた。

 原油先物取引は、中東の石油価格を反映したものでは無い。しかし、この原油の値上がり圧力が日増しに増していることは間違いない。

 この先、産油国であるリビアの石油輸出が止まれば、世界の石油価格の上昇は目に見えている。資源輸入国である日本への影響は甚大である。このまま行けば日本の景気回復傾向に水を差すと同時に、世界の経済回復の足を引っ張ることは間違いなく。世界は、危機に瀕し始めている。

 何時もなら必ず出しゃばるアメリカが今回動きが無いのは、アメリカの弱体化の反映だろう。中東の利権を守りきる程の国力が弱まっている。

 更に、このところ心境著しい中国も、自国の政情不安の恐れがある今、何かをするのはためらわれ状況で、世界はこの紛争をただ見守るしかない。

 

 当然日本も、中東からの石油をあたかも水を買うように購入していて、この地の政情不安は、国の運営に係わる大問題なのに何の手立ても打つこともできず、更に政局は混迷している状況下で政府の無能ぶりにあきれるばかりである。