小児の被ばく

 曇り、風は昨日より更に生暖かく今にも雨が降り出しそうである。

引用 朝日新聞http://www.asahi.com/national/update/0901/TKY201108310688.html) 

 甲府市甲府病院(小沢克良〈かつら〉院長)の放射性物質(放射性同位元素)を使った検査で、日本核医学会などが勧告する基準を超える同位元素が投与され、子ども約150人が過剰に内部被曝(ひばく)していたことがわかった。同病院は1日、会見を開き、調査結果を公表する予定。

 複数の関係者によると、原因は放射性物質テクネチウム」を使った検査。これが入った検査薬を患者に静脈注射する。

 同病院で1999年から今年までにこの検査を受けた15歳以下の子どもに同医学会や日本放射線技師会など複数の推奨基準を超える量のテクネチウムが投与された。うち40人が10倍以上だった。

 過剰投与された子どもたちの全身の内部被曝線量を算出すると生涯の推計で平均約30ミリシーベルト。多い子で150ミリシーベルト以上だった。

 朝日新聞の今日の朝刊の1面に記事が出ていた件、福島原発の事故を受け子供の被曝という問題が起こり、その一連の流れで記事になったと思われる。

 腎臓の検査には、99m-Tcという放射性同位元素を用いる。今回の福島の放出された放射性同位元素の種類の中に含まれていたものである。

 99m-Tcは、今色々と話題となっている137Csの半減期が30年ほどに対して約6時間と短い核種である。また腎臓の検査のために調合された放射性同位元素は注射と同時に腎臓を通り尿中に排泄される。大部分が速やかに尿中に排泄されるため、体内に長時間残るということは無い。

 ここで問題となるのは、果たしてどの程度の量が注射されていたかということである。記事によると普通の10倍量を投与していたということであるが、にわかに信じられない量である。

 

 また、腎臓に限らず、放射性同位元素は、体内の特定部位に集まる薬の性質を利用して検査を行うものだから、全身の内部被ばく線量で被ばく量を推定するのは問題があるだろう。今回の場合は、腎臓が一番被曝しておりそれ以外の部位の被ばく量は少なかったと思われる。

 記事からは、その辺りの事を読み取るには非常に困難で、これを一般の人に理解させるには文字数が不足している感は否めない。

 しかし、放射線の被ばくが問題となっている今、このようなことが行われるとしたら残念なことである。