原発その後

 曇り、気温はまだ外に出ていないため良くわからない。

 実は、今は出張先のホテルでこれを書いている。災害が続いているため外国からの観光客のキャンセルが相次いでおり、ホテルの経営は非常に苦しいとホテルの関係者が話していた。風評被害もあるが、地震直後の国にわざわざ観光に来ることなどということは、やはりありえないのは間違いない。
 町も夜には節電のため照明を落とし、心なしか寂しい様相を見せている。今は、大きな催しも自粛の動きが強く、普段だったらこの時期行われる送別会などの内輪の行事もその風潮で取りやめているようである。まさしく大変な世の中である。

 このまま国内の経済活動が冷え切っては、今後の日本経済の回復の足かせになる可能性がある。東京電力福島原発の問題は、日本の復興に向けての足かせになっているのは間違いなく、一日も早く解決を祈るしかない。この解決があって初めて地震からの復興へ向けての国民の動きが始まるのだろう。

引用 共同通信http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032001000013.html) 

再延長要請で未明も放水 福島第1原発3号機に
 冷却機能を失った東京電力福島第1原発3号機の使用済み燃料貯蔵プールに向けた東京消防庁の連続放水は20日未明も続いた。19日午後2時ごろに始まった放水は当初、7時間の予定だったが、政府の要請で20日午前0時半まで延長。さらに政府が再延長を求めたため午前3時40分ごろまで継続した。

 総放水量は2000トンを超えたとみられ、3号機の貯蔵プールの容量(約1400トン)を上回った。放水は開始直後から無人で行われている。

引用 MNS産経ニュース(http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110319/dst11031922320114-n1.htm

6都県の水道水から放射性物質 健康に影響なし 文科省
2011.3.19 22:31
 文部科学省は19日、東京電力の福島第1原発の事故に伴い、全国の都道府県が計測した水道水に含まれる「放射性ヨウ素」と「放射性セシウム」の濃度を公表した。データが届かなかった宮城、福島、茨城、奈良の各県を除くと栃木県(宇都宮市)が最も高かったが、基準値以下で健康には影響しないという。

 水道水1キログラム当たりの基準値は放射性ヨウ素が300ベクレル、放射性セシウムが200ベクレル。いずれも通常は検出されないが、栃木県では18日午前9時に採取した水道水からそれぞれ77ベクレル、1・6ベクレルを計測した。

 このほか、群馬県(前橋市)でもそれぞれ2・5ベクレル、0・22ベクレルを計測。放射性ヨウ素だけが計測されたのは東京都(新宿区)の1・5ベクレル、千葉県(市原市)の0・79ベクレル、埼玉県(さいたま市)の0・62ベクレル、新潟県(新潟市)の0・27ベクレルだった。

最近、放射線関連のニュースが増え、放射線関連の単位が頻繁に人の言葉に上がるようになった。

 上のニュースのベクレルは、放射性同位元素が色々な崩壊を行いその際に放出する粒子の数を表している。これは核分裂とは異なることに注意をしなければならない。

 ベクレルは、一秒間に放出される放射線を放射線検出器で検出する。放射線は、放射性同位元素の種類によって変わり、アルファ線ベータ線ガンマ線などである。
 
 これは、今までニュースに登場するシーベルトとどう違うかと言えば、上にあげた放射線の種類によってそのエネルギーや飛程(放射線が届く距離)が異なるため、同じベクレルでも種類が違えば人体に与える影響は異なるため、その人体に与える影響を換算して表した値がシーベルトということになる。

 今回水道水から検出された放射性ヨウ素、セシウムがが人体に与える影響は、摂取した量による。また、この放射性物質が体内にどの程度残留するかによっても被ばく量は変わるため一概にどの程度の被ばくを受けるかは、ホールボディカウンターという機械を使用するか、計算により推定するしかない。

 一応安心なレベルとされているが、もし他に汚染されていない飲料水があるのなら飲まないようにするのが良いだろう。今回検出されたのは、福島原発の水素爆発により放出されたもので、原子力燃料棒の核分裂により作られた放射性同位元素である。
 
 今の状況で、このまま事態が安全に落ち着けば、今回汚染された土壌などは水などで洗い流されることになる。それを待って暮らすことで住民生活は戻ることになるだろう。
 
 この程度の量でもし終わるなら、喩が悪いかもしれないが自然放射線量の放出が多い土地で暮らすのと同程度の被ばく量になるだろう。

 当たり前の話になるが、今後原発の事故が終息すればきちんとした環境線量を計測し安全なことを確かめて生活を始めることになるだろう。