原子力

 霧雨、ミスト状の水滴が風に吹かれ漂っている。気温は10度より少し高い程度。



引用 東京新聞http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011061401000057.html) 

原発断念あらためて表明 伊首相「判断受け入れる」
2011年6月14日 06時34分

 【ローマ共同】イタリアのベルルスコーニ首相は13日、原発再開の是非を問う国民投票で反原発派の票が9割以上を占めたことを受け「政府と議会は国民投票の判断を完全に受け入れる義務がある」との声明を発表し、国民の意思を尊重して原発再開を断念する意向をあらためて示した。

引用 NHK(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110614/t10013505251000.html

原発停止 家庭負担増の試算
6月14日 4時31分
東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で、来年の春までに全国の54基すべての原発が停止し、必要な電力を火力発電で補った場合、標準的な家庭の電気料金は1か月当たり、1000円余り値上がりするとする試算がまとまりました。

福島第一原発の事故の影響で、定期検査に入ったまま再稼働の見通しが立っていないなどとして運転を停止している原発は、現在35基あり、来年の春までには全国の54基すべてが停止する可能性も出ています。こうしたなか、経済産業省が所管する日本エネルギー経済研究所は、来年度、すべての原発が停止し、必要な電力を火力発電で補った場合の電気料金を試算しました。それによりますと、火力発電に必要な天然ガスや石油などの燃料の調達コストは、年間で3兆5000億円増えるとしています。この増加分を単純に全国の利用者の電気料金に上乗せすると、標準的な家庭で1か月当たり18%余り高い1049円値上がりするとしています。日本エネルギー経済研究所では「家庭と産業の電気料金が大幅に上昇すれば、経済全体への負の影響が大きい。今後、原発の再稼働問題を真摯(しんし)に検討することが喫緊の課題になる」としています。

 上のデータを出した日本エネルギー経済研究所は、経済産業省の天下り先である。事故後、浜岡原発が停止され、この先定期点検に入る原子力発電所がすんなり再稼働できないと予想されている中、それを許さないとするグループの動きは急である。

 つい最近、関西電力が夏場の電力供給量がパンクしそうなため15%の削減を打ち出したばかりである。原子力発電所が無くならないようにするために、国民の間にある不安を取り除く事よりも、経済的な要素で必要性を訴えている。

 しかし、経済効率から言えば、地域寡占により競争力を生まない現状こそが電力料金の値上げにつながっていると予想される。
 エネルギーの安定供給は、国策として誠に正論である。しかし、地域寡占が必ずしもエネルギーの安定供給に向いているかと言えばそうではない。今回のように一社体制で発送電を兼ねているとほころびが出た場合、それをバックアップする方法を作りにくいことが今回の事故で良くわかった。

 今回、イタリアで「原発NO」の判断が下されたことは、日本国内の国民感情にも多大な影響を及ぼすことだろう。今後を予想すれば、日本国内で原子力という極めて制御不安定なエネルギーを、エネルギーの柱にすることは不可能だろう。
 今後、多くの原発は、廃炉に向けて取り組みを行わなければならない。そのためにも自国でエネルギーを生み出す他の方法を考えなければならなかったのである。
 
 タラレバになるが、原子力発電に費やしたお金の一部を他のエネルギー開発に振り替えていたら、今頃日本はエネルギー大国になりえただろう。原子力が打ち出の小槌にはなりえないことが判った今、一層空しさを感じる