復興庁

 晴れ、朝方の気温は17度、日中は夏日になりそうだ。


引用 毎日新聞(http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110629ddm002040057000c.html) 

東日本大震災:復興本部、初会合 権限すみ分け難航も

 復興基本法に基づく政府の東日本大震災復興対策本部(本部長・菅直人首相)が28日、首相官邸で初会合を開き、既に設置済みの「緊急災害対策本部」「原子力災害対策本部」と合わせ、震災対応の「3本部態勢」が正式に整った。復興対策本部は7月中に復興基本方針を策定し、基本法で早期に整備するとした「復興庁」設置の準備にもあたるが、復興事業の権限が切り離されることを警戒する各府省との調整は難航しそうだ

 復興庁は、マネジメントでいえば、プロジェクトチームである。縦割りの組織の中で、横割りで動く。普通、プロジェクトチームの決済は、組織の長に近い人間が行う。それは、他の部署の決済を受けなければならないとしたらとんでもない時間が掛かるからである。

 日本の公的機関の組織は、今までの歴史を踏まえ、縦割りの組織を基本としている。横割りの組織は、普通は期間限定の組織として機能する。そうでなければ、上意下達の組織を基本とする組織の中でプロジェクトチームに加わる職員の地位が無くなるからである。そうして組織は動く。

 しかし、この官僚組織の中で、横割りの組織が上手く行くには相当な能力を持ったプロジェクトリーダーの存在が必要になる。そのリーダーの資質は、頭脳の良さだけでは務まらず、頭の回転、周りを見通す力などすべての要素を持たないと上手く行かないことが多い。それはまさしくバランスゲームである。

 今回、仮のプロジェクトリーダーと言える立場に細野大臣が就いたが、まさしく仮である。大臣は、真のリーダーとはなりえない。何故なら選挙があるからである。これから何年も続けてこのチームを引っ張るための人間が必要なのだが、それを行う人材が、果たして今の官僚組織の中に存在するだろうかはなはだ疑問である。

 復興庁は、大きな予算を永続的にぶんどるための組織ではない。いつか期限が来ればその組織もなくなるものである。そこでの成果の目安は、いくら予算を使うかではなく、如何に地域を再生するかということである。まさしく成果は金や建物をいくら作るかということではなく、その地域の人間がまた以前と同じような生活を送るための環境を作るかである。この先の未来を創る人間を数多く輩出させるかにある。
 その事業の評価は、長い目で見る必要がある。そこに点数主義の官僚が係っても、どれだけの成果を上げられるか未知数である。復興ために力を注いでも、官僚の評価にすぐ直結するものは得られないだろう。そこにどれだけのモチベーションが生まれるだろうか。

 あまり悲観的なことばかり言ってもしょうがないが、組織を作ってもみたが、機能しない組織をいくら作っても何の意味もない。
 もし、本当に復興に力を発揮させるなら、第2復興庁を作り、成果を競わせることが良いのかもしれない。