看護師

 晴れ、気温はマイナス15度と冷え込んだ。朝起きると夜通しストーブを点けていたにも関わらず室温は下がり、温度設定を上げても中々温まらない状態が続いた。

 今日の新聞記事でとうとう話題となった看護師紹介事業の闇の部分、本来なら適切に病院再編の流れが起こり、看護師の需要もこれ程酷くなることは無いと多寡を括っていた厚労省も慌てているのではないだろうか?

 そもそもの発想は、看護必要度が高い患者がいる病院に適切な看護師数を配置してもらいその分は診療報酬として国が面倒見るということで、誠に理に叶った発想であるのは間違いない。

 しかし、その制度設計に抜け穴が有れば、今日のような看護師の争奪戦が繰り広げられることは無かった。その点でいえば、医療人は皆善良であるという信頼関係というか偏った見方をしている官僚の弱点が露わになった。

 来年度の改定では、看護必要度の見直しが行われ、その必要度が低い病院には7対1看護を見直ししてもらい10対1、13対1へ移行させる方向だが、その変更により、また抜け道を考える人間が増えるだろう。本来の対策は、看護師数を増やすしかないのだが、それが粗製乱造に繋がればまたも大きな問題が起きる。

 看護師は、今では安定的な職業であり、女性の社会進出の大きな役割を果たしてきた。しかし、その流れも男女同権、少子化のながれから色々な職種で女性の就職が増え、社会は女性無くしては動かなくなってきている。それが少子化を加速させている大きな原因と考えられるが。

 看護師としての職業意識は昔も今も変わらないだろうが、やはり緊急性の高い職場で数年勤めると燃え尽き症候群のような状態で離職者が増える傾向にある。それを乗り越えられる看護師はやはり精神的にタフである。

 そういう状況で看護師が徐々に抜け落ち最終的に経験年数の短い層と、年齢が高い層という両極端に分布し、その間の経験と機動力のある層が少ないという状況になってきている。

 そして、経験年数の浅い層は、簡単に離職し、待遇あるいは労働負荷が低い職場を探す旅に出かけてしまう。あるいは、結婚、出産などで職場を離れてしまう数も多い。

 今の医療の中で看護師の重要度は年々増してきている。その中で勤めて行くには、高度な医療知識を求められたり、安全な医療を行うために精神を集中して行かなければならない。

 今後の高齢化社会に向けて日本の医療は、急激な方向転換を迫られていると言って良い状況であり、それを乗り越えていくには、その医療プランを考える役人のセンスが重要なポイントとなる。その点でいえば、看護師の急性期病院への重点配置に舵取りした部分は拙速であったと言わざる負えない。