特定機能病院

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引用 読売新聞(http://www.yomiuri.co.jp/national/20150527-OYT1T50140.html) 

厚生労働省は27日、患者の死亡事故が起きた群馬大病院(前橋市)と東京女子医大病院(東京都新宿区)について、高度な医療を担う「特定機能病院」の承認取り消しを決めた。

 同省の社会保障審議会医療分科会が同日、取り消しが妥当とする結論をまとめ、塩崎厚労相に答申した。同省は6月1日に両病院の承認を取り消す。

 群馬大病院では2011~14年、肝臓の腹腔ふくくう鏡手術を受けた患者8人が術後約3か月以内に死亡。東京女子医大病院では14年、人工呼吸中の小児患者への投与が禁止されている鎮静剤「プロポフォール」を大量投与された2歳男児の死亡事故が起きた。

 分科会は群馬大病院について、死亡症例の原因分析や病院幹部への報告が行われず、改善策が講じられなかった点を問題視。東京女子医大では、医師や看護師らが薬のリスクを十分に理解しておらず安全管理体制に不備があると指摘した。

 東京女子医大は2度目の特定機能病院の取り消しで群馬大は初めて取り消しということになる。

 特定機能病院は、そう簡単に取り消しされるわけでは無い。普通は、返上という形で指定から外れる場合が殆どで、このように外れるというのは論外ということである。

 上の2つの件は、裁判で争われることに成るが、共通しているのは、自己解決力の無さという事である。こういった組織が大学及び病院を運営するということ自体が問題になるだろう。

 日本中の医療機関は、皆保険制度という真綿で数年前まで守られていた。それが、超高齢化社会が今後予想されると同時に医療費の増大も予想されることで、小泉政権から医療費の削減が叫ばれ実施されてきた。それは今まで真綿だったものがやせ細り、自分たちを守るものが薄手になってしまったという事である。

 真綿の隙間から風が吹き込むようになると、それまでぬくぬくと過ごして来た組織が脆弱であり、その場しのぎの体制でやり過ごしてきたことが許されない環境に変わってきたことを感じ取れなくなってしまっていたのである。

 東京女子医大などは、以前も心臓手術のミスから事故隠しを組織的に行い特定機能病院の承認取り消しがあったのにも係らずそこから何の改善もしていないことになる。それは、その体質が相も変わらず継続できた土壌が存在したという事である。

 しかし、その組織の崩壊は今の医療界どこにでも存在することでもある。これはまさしく氷山の一角で、北風を受けてその弱体化を日の目に晒すところが今後も出てくるであろう。そういった弱体化した組織は、この先淘汰されるのが普通になるだろう。

 この2施設は、幸運なことに大学という組織である。今の医学部の現状は医師不足の観点から守られることになる。それ以外の民間施設なら今回の承認取り消しは死活問題になりおそらく廃業或いは経営権の譲渡などに繋がったはずである。

 それがこの施設の今後の大きな問題になって行くだろう。医療人全てが不正に目を瞑る者ばかりでは無い。正義を確実に行おうとする者が殆どである。しかし、心に隙間に何時しか悪が入り込む可能性が存在するのも事実である。