札幌対愛媛

 曇り、気温は9度。雨上がりのため少し肌寒い。

 昨日の札幌の試合。急いで仕事を終え7時には家に帰りCSで観戦した。

 何か変化があるかと思えば、何時もの通りの内容。惜しいチャンスはあったが、決めきれなければ何の価値もない。あれだけ正面にあるゴールマウスを外すことは、中々プロでも難しいことである。隅を狙い過ぎたと思うのだが、あれだけ至近距離で上へ外すこと自体素人でも難しい。素人なら芯に当らず変なボールでゴールに成る可能性もあるくらいである。

 それにしても、お約束のように最終ラインからボールを回す。相手からボールを奪ってから速攻と思っても、中盤からまた一度最終ラインにボールを戻し、相手の陣形が整うのを待つ。そこから縦パスを入れてもマイボールにはしずらいだろう。

 更に輪を掛けて酷いのはその前に出したパスの不正確な事である。何時も屋外で練習しているので風向きの変化を理由にして正確なパス出しの意識が乏しいのだろう。風が無いドームの中で満足に前線の見方にボールが繋がらないのもそのためだろう。

 監督の意図は、きっと後ろで回しながら前線の選手が裏に飛び出すタイミングでパスを出せと言っているのだろうが、それは本当に格上のFWがいてこその作戦である。今の札幌に個で打開できるFWは残寝ながらいない。

 

 それならばどうするのが正解だろう。

 監督の意図するサッカーは、ボール保持率を高め、相手陣内で攻撃を続けることが失点を防ぐ方法であるということだろう。今日本代表が目指している所である。それはバルセロナのサッカーに似ている。

 

 そのサッカーで日本代表、バルセロナと違うのは、最後方でボールを回す率が多いという事である。一番ゴールから離れた位置でボールを回されるのは、相手にとって脅威でも何でもない。何故なら自分たちの守備範囲の外でボール回ししてくれるからである。もし、そこでパスカットできれば最大のチャンスが生まれる可能性もある。そういう位置である。

 普通ならそこから楔のパスが入り、相手との間合いを詰めながら攻撃に移る。そのパスの形は相手の陣内でジグザグにパスを回す感じである。残念ながら札幌はパスの範囲が狭すぎる。ジグザグにパス回しをしようと思っても味方選手の間合いが近いため、相手が丁度周囲を包囲する感じになり押しこめられる。それを打開するには大きなサイドチェンジが必要である。

 しかし、そのサイドチェンジを試みるが大きな正確なロングパスが蹴れないというからだと思うが中を経由して逆サイドにボールが渡る。それでは相手が振られない。

 結論から言えば、もしこのパスサッカーを続けるなら、正確な速いパスとサイドチェンジを繰り返し、それもロングパスを多用し、相手を左右に揺さぶらなければならない。そこで真ん中に飛び込む選手が増えてきて初めて標榜するパスサッカーになるだろう。

 では、何故そういった展開ができないか?選手の能力が低い、それとも指導者が悪い?ハッキリ言ってしまえば、両方だろう。選手は、監督の考える動きが出来なく、監督は選手の能力を見極められない。それが相乗効果を生みだし、どんどん深みにはまる。お互い信頼関係を失い始めた感じだろう。

 何かのニュースで、河合選手を中心に選手だけで試合を振り返りミーティングを行ったと報じられていた。それはまさしく指揮官と選手たちの意識差が大きくなったという事だろう。指揮官の命令で動くのではなく選手たちが考えて動くというのは、聞こえが良いが、その動き全体を意思統一させるのは指揮官の役目である。

 そろそろ野々村社長自ら、札幌の指揮をとる決断をするのか、それとも6月に加入する小野選手にプレーイングマネージャーをしてもらうのか、そんな感じになってきた。後ろを振り返ればJ3が見える等という事は、開幕の時には想像もできなかった事態である。