渡り鳥

 晴れ。気温は2度と冷え込んだ。もうすぐ零下の日が来るだろう。

 昨日の夜は、渡り鳥(白鳥)の群れが編隊を組んで南へ向かって飛んで行った。先週頃から外に出ると時折見かけるようになった。これも風物詩である。

 白鳥達は、編隊で空を飛んでいくときに必ず鳴き声を出しながら飛んでいく。どうして鳴くのだろう。自分たちを励ましているのだろうか、それとも群れから脱落する取りを防ぐためだろうか、自分が鳥でないため判らない。

 鳥たちも本能で鳴いているのだろう。結果的に群れで行動するための経験則として鳴きながら飛ぶのだろう。その意味を理解せずともそうすることで群れが安全に行動できることになる。

 湖などで白鳥達が群れを成している時でも鳴き声が行き渡る。それは見知らぬ人間が近付いたり、餌付けをしたりするときに自然と群れから鳴き声が湧き上がる。それも安全確認の行動だと思う。

 

 しかし、夜空で鳴き声を上げながら飛ぶ白鳥の群れは、親の無い兄弟が冬空の下頑張ろうと片寄せ合う姿を想像させる。寒さに耐えるため、空腹を紛らわせるためにお互いに頑張ろうと声を掛け合っている様である。

 勝手に擬人化して、冬空の彼らの鳴き声を聞いていると、もうすぐ冬が来るのだなという寂しい気持ちにさせられる。