雪、気温はマイナス4度。

 朝から細かい雪が降っている。雪の結晶は6角形と習った人が多いだろう。あの雪印のマークである。殆どが6角形だが中には違った形に成長している場合もある。

 結晶というから、それは時間と共に空気中の水蒸気が地表に降りてくるうちに氷となり、その雪の結晶より小さい氷の粒が集まりあの形になり落ちてくるのである。

 では、雨粒のように球形になって落ちても良いだろうと考えるが、実際、あられや雹は球形に成長して落ちてくるのであれも雪の結晶の一つの形態だという事は理解できるだろう。

 では実際、大気中の水蒸気が氷の結晶となり地面に落ちてくるまでの時間はどの程度だろうか?

 これも語弊があり、雲を形作っているのは氷と水蒸気である。地表が暑ければ雨に成り、寒ければ雪に成るので、氷が既に雲の中にできていると考えて良い。

 というわけで、雲から地表に雪が辿りつくまでの時間はどの程度なのかお判りであろうか?

 皆さんも飛行機に乗られることがあり経験していると思うが、雲は低いもので2千メートル、高いもので1万メートルくらいに存在する。殆どの雪は、高層の雲から降るのではなく低層から中層の雲から落ちてくるので2千から5千メートルから落ちてくると考えて良い。

 真空中で雪の結晶が落下した場合その時間は、自由落下運動の計算式で計算できるので、2千メートル上空から垂直に落下するとすれば、おおよそ20秒で地表に到達するのだが、実際は空気の抵抗というものが有り、更に風を考慮しなければならない。

 ちなみに6角形の雪の結晶の落下スピードは約0.3m/秒らしいので、もし、2千メートルの高さから6角形の雪の結晶が風に流されず落ちてくるとしたら秒速0.3メートルなので6667秒掛かる。およそ111分で2時間程度である。雪の結晶が成長するには十分な時間と言える。これが風に流されると更に時間が掛かるのであるから相当長い時間大気を漂っているのである。

 良く晴れた日に、遠くの空に雲の塊が見えるときでも雪が降ってくることがある。それは、あの遠く離れた場所から風に流され飛んできたものである。

 まさしく雪は天からの贈り物である。