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金沢で行なわれたアウェイの試合CSで見た感想。
組織の熟成度から言えば相手金沢の方が高かった。札幌は、連戦の始まる前の報道でターンオーバーというキーワードが監督の口から語られたと聞いていたので少なくとも先発の何人かは変えてくると思ったのだが、前節と同じ先発メンバーで試合開始だった。
自分はここに弱気の虫を監督に見た気がした。対戦相手の金沢と次の磐田を比較して勝つなら金沢戦であり、そのために前節選手間の連動が良かったメンバーをいじらないという戦いに間違いはないが、連戦の先発メンバーしか信頼していないという現れだと思う。
選手はやはりゲームに使われてナンボであり途中交代する選手の試合の入り方は慣れが必要である。今回途中交代で入った上里以外の前田、中原はゲームの途中から加わっても能力を発揮できないタイプで、更に前田は調子の波が激しい選手である。両者とも使うなら先発が相応しいタイプである。
もし自分が監督なら磐田戦に合わせた起用をまず考えるだろう。それに合わせて金沢戦は若手とベテランのコンディションを見極めながらの起用になる。
一番心配しなければならないのはやはり稲本のコンディションだろう。連戦でフル出場に近い使い方では次の試合で使いにくいことを考えれば、金沢戦は休ませても良かったと思う。もう一人はやはり内村だと思う。そしてもう一人変えるとしたら代表遠征後ピリッとしない荒野だろう。
これで選手の疲労を考えると次の磐田戦はメンバーを入れ替えるしかないがその手駒は限られてくる。連戦で出場しなかった河合、古田、ナザリトと途中出場だった上里を使うのではないかと思う。これはこちらの勝手な考えでバルバリッチがこの先のシーズン終了までを考えていないならまた先発は同じかもしれない。
この試合まで6連勝の金沢が連勝を続けている理由は、フォーメーションが確立しそのパターンを選手が理解していることだろう。誰が代りに入ったとしてもその考えが全ての選手に浸透していれば問題ない。
その動きはまさしく個では無くチームで相手に立ち向かうために選手は何をしなければならないかということである。ここに個人のずば抜けた能力のある選手はいらないし、居ればそれによりチームは崩壊する恐れがある。
昨日の札幌との試合でも結構ディフェンスの穴は有った。それを崩せない札幌がダメだっただけである。攻撃もある種のカウンターに選手の数を相手より多くそしてスピードで圧倒するという攻め方である。長丁場のシーズンが続くわけなので選手の疲労怪我できっと調子を落としてくるのは間違いないのでその時に監督はどういった手段を取るかが興味深い。
対して札幌は、選手の疲労から前線でのプレスの出足に迫力が無かった。そのため相手に攻撃される時間も増えてしまい自分たちの攻撃のリズムを減じていた。本来ならこういった場合、先制した時点で前と後ろの役割分担を行い、都倉、内村、二ウドに攻撃を任せその後ろはコンパクトに守ることを意識しながら相手の隙を伺うというのがセオリーだったと思う。
その現実的な戦術が必ずしも見ている方を喜ばせることはないので、もし楽しめるという考えならやはり次の追加点を取りに行くというのが本当なのだろう。この辺り、前への圧力を強めた所のカウンターで同点にされた結果を考えても見せる喜ばせるサッカーというのは難しいことである。
選手寸評を書く。
ク:安定していたが、同点のゴールの際結果論だが思い切った飛び出しも必要だった。この辺り判断は難しいが、飛び込んでくるのが相手の選手一人なのだからその前に少しでも触れることが出来れば味方がカバーできたのではないかと思う。
福森:安定していた。直接ゴールを狙うシーンが無かったので次に期待。
櫛引:安定してたが、次のステップはやはり攻撃時のセットプレーでの動き。
パウロン:同点ゴールの時体を入れていたが跳ね返すところまで行かず。この辺りの体の使い方を極めて欲しい。
堀米:同点ゴール前に相手のマークが緩かった。相手との距離を置きすぎ何のプレスにもなっていなかった。堀米の後ろが居ない状態で抜かれると厳しい。もう少し相手に体を当てるくらいの距離でなければ彼の能力で相手を抑えるのは無理。それ以外の所で上手く足元に寄せていただけに、何故あの時一度相手にアタックに行きかけて止めたように見えたのが敗因。
稲本:前節の様な鬼プレスが掛からずあっさり交わされてしまっていた。少し疲れが出ていたか。
宮澤:こちらも前節勝利の立役者だったが、今節は何時もの彼のプレーだった。
荒野:二ウドとのコンビで右サイド攻撃に上がるのだが、もう一つ相手を交わしきれず良いパスが出せないしシュートが打てていない。代表とチームでの役割の違いが彼の能力を落としてしまったかもしれない。心配。
内村:先制点は今年の初ゴールだった。漸く得点を決め次につながれば良い。ただその後の好機を悉く外してしまい攻撃の面で力を発揮でいていない。守備は、やはり相手に交わされることが多く次の試合も先発なら体力面の心配も出てくる。
二ウド:前節よりも動きは良かった。周囲との連携も出てきた。あのシュートシーンは惜しかった。少し体が前に行き過ぎてタイミングが合っていなかった。彼にはもっと遠慮せずシュートを打って欲しい。
都倉:前半彼らしい動きをしていたが、後半疲れてくるとやはり相手を交わすことが出来ずどうしても反則を取られる動きをしてしまう所がある。そういう状況が出て来たなら変え時なのだが、このチームの要となる選手なため交代しづらい。
前田:交代で出てきたが攻撃にも絡めず守備にも絡めず最初から消えていた。使いにくい選手の一人である。
中原:交代で出てきても相手に脅威を与えることが出来なかった。交代出場した際の自分の役割が何か教えられるのではなく自分で考えるしかこの壁を越えられない。このままいくと控え枠からも外れそうである。
今の札幌は良くなったと言え、まだ相手を圧倒できるような攻撃が出来ていない。それが形になって初めてJ1に上がり通用するチームになる。早い段階でそれが形に成らなければ好不調の多いダメな方の札幌になってしまう。この連戦がまず前半の山場と言える。ここでどうやって選手に勝者のメンタリティーを植え付けるか、それが監督にできるかが問われる。出来なければ監督交代論が当然出てくる。