曇り。気温は15度。
昨日の試合、CSで視聴。
札幌の弱点が垣間見えた試合だった。この先の試合をどのように組み立てていくのか前半戦折り返し前の2試合と一週飛ばした後にどれだけ選手が成長するかでJ1への返り咲きができるかどうか決まる。
その札幌の弱点は、誰もが判ることだけにここに書くのも恥ずかしいが書いてみる。
1.点取り屋が居ない。札幌の得点源の一人である都倉、彼も休まず使われているだけに前半の終わりくらいから足が止まる。その疲れからか競り合いで負けることが多くなってきた。相手のマークも彼に集中してくるので余程上手く交わせなければ得点を決めれない。今までそういったマークが有っても得点を重ねてきたのは素晴らしい事である。
2番手、3番手のストライカーを探すとやはり内村、古田当たりなのだが、最後の最後で決めきれない。ゴールに見放されている感は半端では無い。やはりナザリトあたりが出てこないと都倉が欠場したりすると勝てなくなるのは目に見えている。都倉には怪我だけには気を付けて欲しいものである。
2.後半足が止まると安全に縦に蹴りだすボールが増えてサンドバック状態になること。自分たちのボールに成りながら縦に蹴るほど愚かなことは無い。相手が余程格下ならそれでもありだが、実力が拮抗しているJ2でそれをしていたら相手に力を与えているようなものである。確かにJ2レベルだとそれでも相手がミスしてくれるので何とかしのげるが、J1に上がればああいった守り方をしていれば2,3点取られてしまう事もあるだろう。
自分たちがへばり足が動かない時は、相手も同じである。その時に勝負を決するのは、気持ちだろう。昨日の岐阜も最後の最後は得点が入っても良いチャンスが有った。ゴール前の相手選手が倒れたシーンも大げさに倒れたからシュミと審判が判断した可能性もあった。
更に、交代で入った深井、神田、石井がボールキープの際何の役に立たなかったことである。あの試合、攻めるならゴールを決めるくらいの気持ちで行かなければ、疲れた選手たちを攻撃の際前に上下させることで疲労は溜まる。行くなら3人で得点を取るくらいの覚悟が必要である。
だから、神田は攻撃に行くなら一人でボールをキープして相手を抜き去るくらいの攻撃を仕掛けなければならないし、深井は稲本と比べればまだ無駄な飛び出しが多く、相手に迫るならボールを取りきらなければいけない。後は、石井である。もう既にベテランの域に入っているのだから、守備に専念するなら簡単にボールを蹴りだすことが味方に貢献できないことは知っているはず。相手の足が止まっているのだから落ち着けば良いものを相手が前に2,3人来ると慌ててボールを蹴りだしていては、相手の攻撃の勢いを止められないことは判っているはず。
後半、リードしている段階でマイボールをどれだけ失わない戦いができるかが課題だし、交代で入った選手たちが前後半戦ってきた選手との攻めるのか守るのかの意思疎通がない事が問題でもある。
更に、後半何度かフリーでペナルティエリアの外からシュートを何本か打ったが、もう一つ中に入ればもっとゴールの確度は上がるし、フェィントを一つ入れればと思う。シュートのタイミングが画面を見てても1,2,3のタイミングで打っているのが丸判りでキーパーに余裕を持たせすぎている。そこが残念だが、それが出来れば一流である。でもそこに近づく姿を見せてくれればと思う。
金山:相手のシュートの中で3回ほど際どいのを止めた。その内の一つは河合が足で止めたものだが。中々良い守備をしていたと思う。注文を付けるならキックの精度だろう。直接外に出る数が多いのと、ライナーで蹴られては味方も併せられない。
福森:良いキックが多かったが、もう一つ味方に合わない。FKでのゴールは一つ決めたので、アシストとなるキックを決めて欲しい。守備は、試合経験を積むごとに落ち着いてできている。
河合:良い飛び出しが多かった。彼が居なければ得点を与えていたかもしれない。彼が居なくても安心して任せられるCBが出てこなければ監督も欠場させるわけには行かないだろう。
パウロン:味方を気にせずぶつかりに行くのはある意味凄い。やはり彼の頭での跳ね返しは強力な盾である。もう少し頭脳プレーができるようになれば上のステップに行ける。
堀米:誰よりも走っていたが、攻撃、守備にまだ勢いだけでやっている所がある。今はそれでも良いが、何時かそれ以上のものを出さないとレギュラー落ちすることもありうる。他の選手よりも貴重な戦力と思わせるには、勢いだけでなく周りをもっと使えることと、自分で行く勇気が必要。
稲本:お疲れ気味な事は、札幌に関心のある人たちはみんな判っている。それでもいざという時頼りになるのは間違いなく、何時壊れるか河合と同様に冷や冷やして見ている。壊れないことを祈るばかりである。
宮澤:良い動きはしているのだが、稲本と比べると守備が合理的では無い。一試合、20メートルダッシュを何度繰り返せるか試しているようなもの。後半足が止まることが判ってやっているなら相手のボールを取りきるくらいの技術も必要である。ポイントはそこだろう。
前寛之:ウィングバックの選手では無いのだろうと思う。一試合に必ず一度は彼のところにチャンスは訪れる。そのチャンスを決めることで彼の起用方法は変わるだろう。3バックでは前で使うしか無いだろうと思う。
内村:前からの積極的な守備で後ろを助ける役割に徹してしまい過ぎて、攻撃のチャンスに自分で打つかパスするかの判断に迷っている。この起用方法で自分が生かされる部分は何処かと考えて今のやり方なのだろうが、それではこのまま生きのいい選手が出てくれば控えに回ってしまう。
古田:彼は迷いというよりは、運を味方に付けていないという事なのだろう。一つ上手く回れば得点を量産できるように見えるが、その切っ掛けは偶然では無く自分でお膳立てするか周りに使ってもらうしかない。一つでも多くのチャンスが有れば何時かは決まる。それが何時に成るかは判らない。
都倉:ここ数試合、体の切れが落ちてきている。少し休めば戻るのか、そのまま試合に出続ければ戻るのか判断が付き辛い。一年を通して出続けるのは、群馬以来の事だろうから無理もない。きっとこのまま出続ければ爆発することを信じている。
河合、稲本の使いどころに監督も苦慮しているに違いない。このままハードワークしていればガタがくるのは目に見えている。欠場させるとチームのバランスが崩れることを監督も思っているだろう。小野の起用方法についても迷いが大きいだろう。曲がりなりにも順位を上げている状況で何かを変えるのは勇気がいることでそれでチームを壊しては元も子もない。
ベテラン3人の使いどころが札幌J1昇格のカギを握っている。もう一つ付け加えるならやはりナザリトがチームにフィットすることくらいだろう。