対 横浜FC

 曇り、気温は18度。

 土曜日の試合、録画を見たのは昨日の夜だった。結果は既に確認していたので引き分けになったことは判っていた。

 今の札幌の得点が取れない理由は、相手に札幌の攻めを分析され対策を取られたことに尽きる。それでも勝ち続けるには、やはり相手との実力差を見せつけるか、優秀なフィニッシャーが必要なのだが、その一人である都倉が怪我で欠場(ここ数試合は彼も平凡な選手に成ってはいた)で出られないことで更に攻め手を失った状態と言って良い。

 その得点をとるため小野を後半から出場させるのだが、彼もその点で周りを生かすための言い換えれば彼のために必死で相手の間を走り回ってくれる選手が居なければ生きない。

 その役割を荒野、神田で行わなければならないのだったが、荒野は前半走り回ったため動けず神田は相手の守備を交わすことはできないという状態で手詰まりになってしまった。

 札幌の攻撃は、既に相手に読まれているというよりは、その攻めの構築をするため今まで準備していたのだから、判って当然である。

 一つは裏へのロングボールと守備ラインの間でパス交換。サイドも使う。こう書くとどのチームも実践しているセオリー通りで、それに対応するには、これもセオリーで相手のカウンターに備え相手がボールを奪えはゴール前に可能な限り早く戻りセンターを固め、前の選手は攻撃を遅らせるというものだ。

 そうすれば、優秀な攻撃の選手を持たないJ2の殆どのチームが対応でき、この中盤に来て引き分け試合が増えている理由はそこにある。

 その点で、J2にいる札幌が他のチームより頭一つ抜け出せる能力があるかというと全くない。J2は大宮以外は、どのチームもそこが足りずに独走できない理由になっている。ただし、大宮もその点でいえば、選手の自力はあるが、暑い夏場を迎えこの先勝てなくなる可能性はある。


 この先の札幌の昇格するためには何が必要かという話になる。タラレバで言うと、ここ数試合引き分けが続いて勝ちきれない試合を続けているが、6月中にメンバーを固定しなかった方が良かったと思う。レギュラーを固定するのは正しい方法でもあるが、この先の夏場を迎え選手の体力を消耗させる時期が必ず来るのだから、DF、MF、FWでローテーションを行う勇気が必要になって来る。

 

 この先、必ずレギュラーの選手から2,3人怪我人が出るのは毎年試合をやっていて必ずと言って良いほど起こる。その時に代りに成る選手を抜擢してもそれまでチーム駒としてその役割を自覚してなければいけないが、試合に出なければその役割をこなせない。幾ら練習で実践を積んでいても、試合となると相手は、毎回違うのだから簡単に役割こなせない。

 だから、調子を落としかねないベテランを可能な限りシーズンを通して使えるように考慮する必要が有った。それがマネジメントである。5月の頃は、バルバリッチも余裕(まだレギュラーを見極められない時期でもあった)があって選手を変えてきたのだが、勝利を重ねるごとに徐々にレギュラーを固定し始め、河合、福森、稲本、堀米、宮澤、内村、都倉は固定になった。

 その中でも、稲本、都倉はここ数試合目に見えて動きにキレを失ってしまっていた。その代わりは、深井だけでm都倉の代りに成る選手が現れず、頼みの外国人選手は、誰も代りに出られない状況である。

 そしてそれは監督の選手起用方法が上手く回っていないと断言できる。それもこれも交代で出る選手が中々機能していないことが最大の理由で、活躍できる土壌が無いのか、選手にその能力が無いのどちらかあるいは両方なのかもしれない。


 今現在6位にいるが、この状態を抜け出すにはやはり都倉に代わる点取り屋の登場である。都倉は、休めばまた復活するだろうが、それを待っていたら秋になってしまうのは確実で、つなぎになる選手、例えばナザリトの覚醒、荒野、古田の能力の開花、或いは控えの誰かが絶好調で得点を取り始めることである。

 7月中に、そういった事が起きなければ2位以内を確保することは困難で、悪くすればこのままズルズル順位を下げていくだろう。それは、可能性として高い状況である。

 選手もサポーターも運命共同体なのだから、この困難を乗り越えJ1昇格を目指すためにはサポーターの一員として応援を続けるしかない。