個人情報

 小雨、気温はマイナス1度。冷えたアスファルトに落ちた雨は、丁度カーリングのリンクを作るような状態で滑り止めが付いた革靴でも足元は危険である。この時期の雨は雪より厄介である。


引用 読売新聞(http://www.yomiuri.co.jp/national/20151214-OYT1T50080.html) 

堺市は14日、会計課の古矢敬一課長補佐(59)が、市内の全有権者約68万人分の個人情報を無断で持ち出し、民間レンタルサーバーで閲覧可能な状態で保管していたと発表した。

 市は同日付で古矢課長補佐を懲戒免職処分とし、近く地方公務員法違反(守秘義務違反)などで大阪府警堺署に告訴する方針。全有権者データを2006~12年に計9回、無断で持ち出していたという。

 市によると、外部に流出したのは、11年11月の府知事選時の有権者データで、氏名、性別、生年月日、住所など。配偶者や恋人からの暴力(DV)、ストーカー被害などを理由に住民票の閲覧制限を受けた人も含まれるという。

 マイナンバー制度が開始され、国民の大半にマイナンバーという番号が付く。そういった時期にこのような大規模な個人情報を公務員が持ち出して流出させる事案が発生すると本当に個人情報の管理は大丈夫なのか疑わざる負えない。


 マイナンバーが始まる以前から個人情報のデータベース化があった。公的なものは、年金を管理するための個人情報や健康保険証などの個人情報である。更に民間では名簿業者と呼ばれる会社が行っていたものである。

 色々な個人情報、例えばポイントカードの会員登録や、インターネットサイトへの登録など、知らず知らずのうちに自分でも個人情報を提出してしまっている。それらの個別のデータベースは小規模なものも多いのだけれども、それが結びつき合えば大きなデータベースとなる。更に分散された情報が串刺しにされれば、家族構成、職業、資産、住所、電話番号などありとあらゆるものが結び付けられていく。

 今のマイナンバー制度は、情報漏えいに対して特定の種類のデータしか盗み取られないと力説する。確かに保存されたデーターベースは多くのデータベースと串刺しされないように工夫されている。そのため被害は最小限に抑えられると力説されるが、このマイナンバーのデータが今ある巷の個人情報のデータと結び付けられた場合、全ての情報が将来的には結び付けられる可能性が高い。

 漏洩が起きない様にするのが第一条件だが、今の時代簡単に大容量のデータを携帯型記憶媒体に保存することが可能になってしまった。

 上記の記事にあるように、内部の人間が持ち出す事案は今後も増えていくことだろう。決して減ることは無いと思われる。

 そして一番問題なのは、そういった情報の取り扱いに対して詳しく知らない人間が実務に携わらなければならないことが今後ますます増えていく。幾らお偉いさんが安全だと力説しても安全性を保障できる物では無い。机上の理論とは別な所で現実は動き、犯罪者は巧みにその抜け道を見つけてくるものだからである。

 情報化により便利な社会を追及すればするほど、個人情報の漏えいは進んでくる。いつの日か個人情報は他人に見られるのが普通の社会に成るのかもしれない。