月、星、太陽

 曇り、気温はマイナス5度。


 人間には太陽のように多くの人を照らし、それを崇めるような対象になる人もいるし、月のように夜の暗い道をおぼろげながら照らし道を示してくれる人もいる。そして、夜空の多くに浮かぶ数多の星のように存在が見えるがその名を覚えてもらえないような人もいる。

 しかし、太陽の様な人も生まれてから人生を終えるまで常に太陽であったわけでは無い。星のような時もあったし、月のような時もあった、更にその太陽のような存在が何時までも続くわけでは無く月に成ったり星に成ったりするだろう。

 人生においていつも太陽のような存在に必ずならなければならないというわけでもない。またもしなったとしてもその存在であり続ける必要はない。その時の必要性に応じて存在を変化させ続けるべきなのである。

 何時か太陽は陰り夜空に成り空に月が浮かぶ時もあれば月が存在しない夜空もある。夜空に星しか存在しない時もあるし、一日中雲で覆われ太陽や月そして星さえも存在しない時期もある。

 全てが水の流れのような時間が、その人の存在を変えてくれるものである。それを静かに受け入れるしかない。敢えて言えばその流れに逆らおうとも一人の力では簡単には替えれない不思議な力の中で生きているともいえる。

 太陽、月、星それぞれに役割が有り、その役割に応じて動いて行くことで星だった存在が何時か月のようになり太陽のようになる。

 実際は、星は恒星であり太陽の一つである人にとって余りにも離れているためその近くにいれば太陽のような存在であっても気付かない存在である。月は、惑星の更に惑星である。遠く離れた所から見れば取るに足らない存在なのだが、一度、近付けばその存在が浮かび上がる。

 その太陽、月、星の位置関係の中に埋もれた存在が実は多くの惑星であり月のように存在を際立たせる場合もあるが、広大な宇宙の中では一つの塊にしかすぎずひっそりと存在する場合もある。時が満ちれば輝きを発する場合もあるがその瞬間は、いつ訪れるかもわからない。ただし、地球のようにその地で生きる生命が存在すれば、その生命にとって母なる大地となる。