季節の変わり目

 晴れ、気温は12度。

 昨日は、雪虫を見、今日は渡り鳥(白鳥)の鳴き声を聞いた。確実に北海道は冬に向けて進んでいる。この2,3日気温は高いが、週末は雪が降る可能性もあるということで、冬は目の前である。

 本州のように雪が降ってもすぐ溶けてしまい根雪にならないところは、冬についての実感はないのかもしれないが、雪が積もり外は吹雪という日がある北海道民にとって冬の感覚は、世界と隔絶された季節という気がする。

 北海道から本州に移り住んだ人が、北海道には住みたくないという人がいる。その一つの原因が冬の寒さだという。寒さが苦手な人が雪が積もった冬を経験すると逃げ出したくなるだろう。

 いくらストーブをガンガン焚き、室温が快適でも、ひとたび外の外気に触れれば外出する気にもならなくなるだろう。更に雪道は氷で滑り足元も覚束ない状況で、更に田舎に住めば夜の道は町明かりからも閉ざされた世界になるのである。

 北海道に住める人は、概ね北方系の人だと思う。住めない人は南方系の人と線引きできるのではないかと思う。そしてその中間は関東に住む。だから東京がこれだけ発展したのも民族学的分類なのだろう。

 これだけ北海道に長く住み、北海道以外で暮らしたことが無い人間である自分にとって北海道以外で暮らしていくという感覚がすでに無い。しかし、その慣れた地であっても年齢とともに雪に閉ざされた冬という季節が苦手になってきている。

 冬という季節が、新しい時代を生み出すための冬眠の季節だというのも理解しているが、すべてが新しいものに生まれ変わることが良いというわけではない。それまで築いてきたものが消え去りまた新しく生み出すエネルギーが必要である。

 そのエネルギーを蓄えるための冬であるべきなのだろうが、冬であっても何かを生み出す準備をしなければならないし、もし新しく生まれ変わったのなら、生まれ変われない自分だけが浪費されるだけの存在に思えてしまうからだろう。