自らの手を汚さずに

 晴れ、気温はマイナス2度。昨日の雪は10㎝位になるだろうか、途中衛星放送のアンテナが受信不良になるほど湿った雪だった。

 昨日書いた北朝鮮の問題、それにこたえるかのように朝日新聞が社説を出してきた。その中の一部を引用する。

引用 朝日新聞(http://www.asahi.com/paper/editorial.html)

「敵基地攻撃力 専守防衛が空洞化する」

(中略)

まず「他に手段がない」とは言えない。日米安保条約に基づき、米軍が日本防衛の義務を負っているからだ。

 日本の安全保障は、米軍が攻撃を担う「矛」、自衛隊憲法専守防衛の下、守りに徹する「盾」の役割を担ってきた。この分担を壊し、日本が敵基地攻撃をすれば、自衛隊が戦争を拡大することになりかねない。

 最近の朝日新聞も米軍をキーとする日米安全保障条約について異論は無いようである。社説で日本の安全保障はアメリカに頼ることを明確に記載している。また、日本は盾を持っても良いが、矛はあくまでもアメリカ軍にお任せするという立場であると主張する。

 日本が攻撃された場合、北朝鮮を攻撃するのは日本ではなくアメリカ軍の役割らしい。

 北朝鮮アメリカが攻撃してくれるのは、自分たちの手を汚さないだけで、日本が相手基地を攻撃するのと結果が同じであると理解していないらしい。もし北朝鮮が攻撃される側だとしたら日本のためにアメリカ軍が攻めてくるのだから日本も敵国扱いになるとは考えないらしい。

 そこにあるのは、アメリカが北朝鮮と戦争になったとしても実際に攻撃していない日本は、世界から平和国家と認めてもらえるのである。

またこうも書いている

 敵基地を攻撃すれば反撃を受け、全面戦争への発展を想定する必要がある。原発が攻撃対象になる可能性も否定できない。

 むしろ日本は、北朝鮮への先制攻撃も視野に入れる米トランプ政権に対し、外交的な対応の強化を説くべき時ではないか。

 多くの問題をはらむなか、敵基地攻撃能力の検討に踏み込もうとする姿勢は危うい。

 先制攻撃をしなければ北朝鮮のミサイルは日本に向けて発射されるとは考えていないようである。先制攻撃で同時に数十発のミサイルが日本各地にある原発を標的にして攻撃された場合、相当の日本の領土に被害をもたらすとは考えないらしい。盾が充分であれば日本に到達する前に迎撃することが可能であるが、もし迎撃に失敗する可能性があるのなら、今より頑丈な盾を装備しなければならない。その費用は、相手基地を攻撃するよりも多大な費用が発生することだろう。

 戦争は、幾ら専守防衛といっても何らかの血が流れることは確実である。それが日本国民であるか敵国の国民である可能性は高い。本当に多くの死者がでるだろう。

 また頑丈な盾を身に着けていても、常時その盾は整備していなければならない。いざという時に役に立たなければ張りぼてを着ているの変わらないわけで、それなりに費用は毎年国民の負担となる。更に在日米軍の維持費用も毎年必要である。

 自分も、戦争は国民に利益を生まないことは確かであり無いに越したことは無いと考える。平和的な話し合いで解決する方法があればそちらを選択すべきだと思う。その努力は続ける必要があることは間違いない。

 それとは別に、日本が相手の要求を丸呑みしなければ攻撃するぞと相手が脅してきた場合、全てを丸呑みにする覚悟があるかということである。本来の平和主義者は、右の頬をぶたれたら左の頬を差し出せと説くだろう。その平和主義を受け入れるには相手の行いを全て受け入れる覚悟が必要である。

 

 相手の要求を受け入れなければミサイル攻撃をするぞと宣言した場合でも、相手がミサイルを発射して、更に国民が直接的な被害を受けるまでは、我慢することが朝日新聞社の方々は大切だというのだろうか?あるいは標的が朝日新聞社になっている場合、その向きを変えてもらうため、相手の要求をのみ屈服する覚悟があるのだろうか?それとも朝日新聞社を狙うのはけしからん自衛隊は自分たちを守る義務があると宣うのだろうか。どう守れというのだろうか?

 朝日新聞には明確に専守防衛の基準を表明すべきだろうと思う。日本のオピニオンリーダーを自称し、そういった日本の防衛の核心に迫る議論を社説で非難するのならお抱えの有識者に意見を求めるのではなく、朝日新聞としての対案を出すべきだと思う。

 其れこそオピニオンリーダーの役割というものだろう。