北朝鮮の動き

 晴れ、気温はマイナス10度。連日のように朝は冷え込んでいる。丁度夜の間に山側から冷たい空気が盆地に吹き込み沈み込んだ状態になるためである。

引用 産経新聞http://www.sankei.com/world/news/171120/wor1711200042-n1.html) 

韓国の情報機関、国家情報院は20日、北朝鮮朝鮮労働党指導部が朝鮮人民軍を監督する軍総政治局を査察し、黄炳瑞(ファン・ビョンソ)総政治局長ら幹部を処罰したとの情報を入手したと国会情報委員会で報告した。黄氏はかつて政権ナンバー2とも目された人物で、権力闘争の可能性もある。

 委員会に出席した議員が明らかにした。崔竜海(チェ・リョンヘ)党副委員長率いる党指導部が「不純な態度」を問題視し、総政治局への査察を進めているという。国情院は、黄氏のほか、金元弘(キム・ウォンホン)第1副局長ら複数の将校が処罰対象になったとの見方を示した。

 北朝鮮の動向が久しぶりに流れた。更にこれと同時に流れたニュースが興味深い。

引用 毎日新聞()

中国共産党習近平総書記(国家主席)の特使として訪朝していた中国共産党中央対外連絡部(中連部)の宋濤部長が20日、帰国した。中国国営新華社通信は、宋氏が金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談したかを明らかにしなかった。北朝鮮の核・ミサイル開発を巡る中朝関係の距離感をにじませたと言える。

 上記の記事によれば、中国側の特使と金正恩は会談ができなかったようだ。あるいはできない事情があったのだと推測される。

 最初に上げた記事の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)という名は、最近よく聞く名になった。色々な話題やニュース映像に流れるということは、国民に名を知られるということに繋がり、独裁者は、そういった自分より前に出る者を嫌う。

 最近、北朝鮮兵の南北境界線において北朝鮮兵の脱北事件があったが、これも軍隊の引き締めが足りないことの表れとして処罰されたのかもしれない。

 金正恩という人間の器の問題で、自分より秀でたものを粛清していけば行くほど、今まで権力の無かったものを重用するようになる。それは、自分に反抗しないものをそばに置くという意味で正しいのだが、その人物が粛清された人物よりもその組織を掌握できるとは限らない。そういった人事を行っていると人はまともに動けなくなる。正しいことをしようとして進言すればそれが間違ったこととして処罰されるのだから物言わぬ方が身のためだからである。

 もう一つ、崔竜海(チェ・リョンヘ)という名前である。一時日本のマスコミ報道で失脚したと報じられた人物である。金正日の時代から名前が上げられている人物であるから、北朝鮮にとっては古老といことになる。

 

 北朝鮮では、こういった幹部の序列の変化は多いことで、独裁者が気に入らなければ序列が下がる一方、何か良いことをすれば上がるといった賞罰主義が基本になっているのだろう。一党独裁で、更に独裁者が政治を行っていくうえでナンバー2を固定しないという意味で良いやり方なのだろう。こういった組織を作るうえで人心掌握ができなければ自らも滅ぼすことを考えれば、今のところ上手く行っている表れになる。

 しかし、アメリカの経済制裁北朝鮮を真綿で首を締める状態に移行させているのは間違いない。その一つは、北朝鮮に関する銀行口座の凍結である。幾ら北朝鮮に偽札を含んだ米ドルがあったとしても、銀行経由でなければ貿易の決済はできないし、何か買い物をするのに、大量のお金をカバンに詰めて持ち運ぶことはできない。

 最近、ビットコインの値上がりを聞くが、この値上がりの原因が北朝鮮の買い占めである可能性もあるが、その証拠はない。

 これから冬を迎える季節になり、自国民が餓死する状況が訪れる可能性も出てきたとき果たして金正恩は、アメリカに命乞いをするのか見ものである。