映画鑑賞の日

 曇り、気温はマイナス14度.相変わらず冷気が北海道をすっぽり覆っている.

 

 昨日は祝日でお休みだったので、Netflixで映画を見て過ごした.そこで何を見るかなのだが、Netflixが最初にお勧めしてくるのが、最近話題の映画で、その次は、今まで見た映画、ドラマから好みであろうものを進めてくる.それ以外を見たい時に探すのは一苦労である.

 何故なら、検索はジャンル別と言っても大雑把で、延々と次へ次へとしていき、探しながら何となく気になった題名からこれはというものを選んであらすじを見ての繰り返しがかったるい.

 そこで何となく選んだ2本を見てみた.

 

1本目は、「心のカルテ」というNetflixオリジナルの映画.主演は、リリー・コリンズという眉毛が太く目が印象的な女性とキヌア・リーブスである.

リリー・コリンズは眉毛の太さとキリっとした瞳から、「ローマの休日」のオードリー・ヘップバーンに似ていると言われているのを後で知ったが、確かに似ている.

話は、拒食症の女性の映画である.英語の題名は「To the Bone」というストレートなもので、邦題は結構ぼやかして付けている.

キヌアは、一応主演となっているが、出番は少なくわき役と言って良い.キャストで主演となっているのでぐいぐい出てくるかというとそうではない.あくまでもこの映画は、リリー・コリンズの映画である.

最初に書いたように拒食症の女性で治療しなければ死んでしまう寸前という設定なのだが、映画という実際に演じなければならない制約があるため、それほど容姿が見られないというわけではないが、リリー・コリンズもこの映画のために極端な絶食をしたのだろうという姿をさらしている.

また、この中で拒食症の患者が示す演技が、かえって拒食症を助長するということで公開に反対する動きがあるということも後で調べてみて判った.

確かにこの映画を見て色々な反応があるのは想像できる.昔だったら想像もできないほど多くの人がこの映画の情報を得ることができるため見ていない人も敏感に反応し、色々な意見が噴出するのがわかる.

しかし、それが映画ということを理解してもらわないとこういった世の中の片隅に追いやられるような人を主人公とする映画は作れなくなってしまう.極端なものを排除するのではなく.見たくなければ見ないという行動で態度を示すだけで良く、SNSなどでの過度な反応はあまりいただけない.

余り書くとネタバレになるので詳しくは書かないが、もし実際には遠くから見ている拒食症の方がどんな思いでいるのかその一端がわかる映画である.リリーが演じる女性がこの先どうなるか判らないが、映画の結末からは良い方向に向かうのではないかと知ってホッとする.

 

2本目は、「Wall Flower」を見た.主演は、ローガン・ラーマンエマ・ワトソンエズラ・ミラーである.エマ・ワトソンハリーポッターなどで知っている人が多いと思うが、男性2人はこれから伸びていくであろう俳優である.

日本でも、深夜枠で放送されたようだが、映画館公開は無く、見るにはNetflixなどを使うしかない映画である.

題名が示すようにパーティなど多くの人が集まる催しの中、ホールの中央ではなく壁際にひっそりと立つ人の話である.最初は壁の花だったが中央に行くことができた話なのだが、さすがにそれでは人を引き付けることができないので、やはり色々な伏線を持ってくる.それは映画の中で直接表現されないが、見ているものにそれとはなく理解させるようになっている.

更に、エマ・ワトソンが演じる女性は、自分の価値を知らず自分を苦しめるような相手とばかり付き合うという設定で、主人公は好意を抱いているのになかなか踏み出せない相手として設定されている.その女性も小さい頃の出来事が影響を与えている.もう一人の主役エズラ・ミラーが演じる男性もゲイという役柄で、3人の役柄が、小児虐待、LGBTという今の話題の主流をストーリーにはめ込んだ作りになっている.

主人公の彼がこの先本当に壁の花から脱してヒーローになったか判らないが、高校生としての第一歩を踏み更にその先に進めたのは事実であり、新しい人生に進めそうというところで終わる.何となくハッピーエンドでよしよしなのだが、本当に彼らが幸せになるのだろうかという疑問を自分は抱いた.これからも色々なことが起きるだろうと感じたのは親心みたいなものなのだろう.

この映画で、魅力的な女性を演じるエマ・ワトソンだが、ハリーポッターシリーズが絶頂でその後そのイメージが強すぎるのか中々ヒット作に恵まれていないように感じる.エマ・ワトソンを知っている人に反論を受けるかもしれないが、Netflixエマ・ワトソンで検索の結果出てくる映画がそれほど有名なものが無い.

既に28歳となり、年相応の演技が求められるため、見ている人たちがハーマイオニー役の彼女を忘れてくれたら良いのだけれどもそうはいかない.子役で有名になりすぎた故の高いハードルである.

 

暇な時の時間つぶしに手軽に映画を見れる時代に生きられて幸せである.たまには映画館の大画面で見たいのだが、この時代、手軽にネットを通じて映画を見られるため以前からある映画館の廃館が続く、見に行くためには車で電車でということになってしまった.それを考えたなら自宅に大画面テレビを備え付けて見るのが一番手軽である.古き良き習慣は時の流れとともに変化を続けるのである.