藤井7段の勝利

 曇り、気温は18度.雲の多い空だが、時折太陽が顔を覗かせる.日中は気温が上がるだろうが、本格的な暑さではないだろう.

 

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 昨日は、王位戦第2局の2日目の棋戦があった.封じたから開始された後は、2人とも長考の繰り返しで中々進まず午後休憩に入る.休憩後から徐々に形勢は木村王位に傾き始めた.木村王位の右辺の飛車を切らずに守った手が後々効いてきた感じがする.それは、後出しになるのだが、結局最後はその飛車が攻めに活かせなかったことも勝利を遠ざけた要因になったのではないだろうか.

 それでも藤井7段の玉を攻め立て一時は優勢となり、最後の詰めの問題となったところで藤井7段の防御の手に間違いなく見事とに相手の攻めを受け流すことに成功.その後は、詰めろを掛けた状態で自玉を安全地帯に脱出するだけだった.一歩ミスをすれば確実に詰んでいただけにその読みの深さには驚く.

 負けた木村王位も何故勝てなかったのか判らず呆然としていた.この前に行われた渡辺棋聖戦では、見事に負かされてしまったので、そこから巻き返せないのではないかと思ったのだが、それは余計な心配だったようだ.

 しかし、タイトル戦を見ていて完勝できるというのは、相手が本当に大きなミスをしてくれない限り無理ということがよく分かった.さすがにタイトルを取った歴戦の棋士だけに相手のミスを逃さない或いは相手にミスを誘発させる指し方というのは見事である.素人将棋のあきらめの早さというものは無く、最後までミスをすれば逆転するぞという手を必ず指してくる.

 それに対抗する藤井7段だが、その若さに似合わず指し手は老獪で、既にその駆け引きの妙というものを体得しているのには感心するばかりである.

 これで王位戦は先に2連勝し残り2つ勝てばタイトル獲得である.更に2日後に行われる強行日程の棋聖戦でも2勝1敗としているので次勝てば棋聖のタイトルを獲得する所まで行っている.

 東京から札幌、次は大阪と移動の疲れは半端ないところなので体調面には気を付けてタイトル争いに臨んで欲しいところである.きっと今日が千歳から大阪への移動日になっていると思われるのでそれまでの短い時間、北海道の雰囲気を味わって欲しいう.