また同じなれ合いが始まる

 曇り、気温は19度.今にも雨が降りそうな黒い雲が西側の空を覆っている.

 

 天気図を見てみると、北海道には低気圧が近付いており中々良い天気にはなら無そうである.このまま行くと今日は雨ということになる.この不安定な天気は週末まで続きそうである.

 

 菅自民党総裁が決まり、新内閣の顔ぶれが続々と公表されている.実際は、国会で選ばれてからの内閣なのだが、それまでに顔ぶれが決まっている必要があり、内々で本人に伝えれれていることが表に出ているのだろう.

「仕事できる人」どこへ 人事に不安、菅氏いきなり試練 [菅政権発足へ]:朝日新聞デジタル

「新味なき」バランス人事か 「党主導」看板に中枢握る官邸運営 菅新体制を読み解く - 毎日新聞

 早速、反自民朝日新聞毎日新聞が新内閣の予想メンバーに悲観的な内容の報道を始めた.

 普通なら様子見なのだろうが、反安倍を旗印に報じていた関係から、その継続を謳う菅内閣に対してこれからも反菅を貫くことを表明したわけである.

 彼らの資金源は、保守的勢力を弱体化させ左派政権を作るために活動している人たちであるから、読者層を裏切らない記事なるのは致し方ない.

 今までの政府の国民に対する政策は、かゆいところに全て手が届くというわけではなく、平均的な生活者を増やすというものである.所謂格差社会を一定の範囲で認めているといえる.その格差の底辺に当たる人たちの政策は、大まかに言えば生活保護ということになる.

 そういった弱者の声は、一般に行政には中々反映されない.声の大きい人はそれなりの生活者だからで権力を持っている人は得てしてそういったグループで構成されているからである.

 そして、その弱者の声を拾い上げる必要があり、その役割を担っているのが野党であり、その弱者を救済するという行動を伝えるのがマスコミの力ということになる.

 必然的に政権与党ではなく野党が社会的弱者の声を拾い上げる役割を担い、それが格差是正のスローガンになっていく.

 極端な格差社会は、国をある一定の権力層の力を益々作り上げることにつながっていき、そうした社会の生末は、必ず権力闘争を生む.それが、社会主義革命で有ったり、軍事クーデターのようなもので翻されてきたのが歴史である.

 格差社会の進展は一時期、富の偏在を生みそれが資金力となって色々な産業革命を生むが、それが極端になれば一部の権力者に権力が集中し、自分達の利益にならないグループに対しては締め付けを行う.そうなると技術革新や産業の発展は滞る.それが長い間続くと極端な政策と締め付けにより経済活動は停滞し富を生まなくなるわけである.

 富の喪失は、国を弱らせ引いては国民の生活をも困窮させることになり、革命へのパワーが生まれることになる.

 その状態にある国は、ロシアと中国だと自分は思っている.一部の権力構造が権力を握る過程で反対勢力が粛清される状況に今はある、

 一方日本はどうかというと、格差社会の差が徐々に目立っているが、それほど極端に大きいという状況ではない.所謂昔言われた中流という古い言葉だが、今の現状に満足している層が比較的多いだろう.その中流層の生活レベルが徐々に下がっているかというと、昔と比べて生活環境が便利になったせいで毎日贅沢な生活を送らなければ十分に生活できる状況であるため獲得賃金が伸びなくとも目立たないという状況だろう.

 そういった中間層の中にも徐々に格差は生まれてき始めているといった状況だろうか、昔言われていた総中流では無くなったということである.

 この先の日本は、大きな格差社会は生まれてこないと思う.格差が生まれることで起きる階級闘争が起こりにくい状態が続くのではないだろうか.

 その理由は、先に書いたように弱者を救済する野党の議員が、比較的恵まれた生活を送れる人達だからである.救済すべき弱者と同じような生活を送っていない人たちが、それを取り上げるということは、何らかの矛盾を発生させる.その矛盾の大きな点は、今の生活を維持することが根本的な原理であるため極端な変化を求める素地が無いということに尽きる.

 マスコミも同様である.弱者の視点に立ち記事を書いたり報じるが、その基本は、自由経済の中で成り立っている.自分たちの活動は、そういった自由経済の上で成り立つものでその土台が翻ることを本当には望んでいないからである.

 革命が起きればある程度の自由は制限され、今までしていた活動が自由にできない恐れがあるからである.本当の格差社会の撤廃は望んでいないからである.

 ここまで書いたように、今の日本は、ある意味平均的な水準を維持することを目標に生きていく国になるだろう.技術的な停滞も予想されることであり、昔のように何が何でも世界一を目指す国ではないことを国民全体の意識の中で共有し始めているのではないだろうか.

 

 今後も、このままの状態であるなら、今の政治もマスコミも程よいバランスを重視しながらなれ合いのように賛成反対の声をある筋書きに沿って繰り返すことになるのだろう.