大阪都構想は否決されたけど

 雨、気温は13度.昨日の夜から降ったり降らなかったりした雨が朝方から少し勢いを増してきた.午前中は止みそうにない.これを過ぎると明日の午後から雪が降るとの予想である.根雪にはならないが冬がやってくる.

 

 昨日は、大阪市の廃止を問う住民投票が行われた.大阪市を廃止して将来の大阪都構想の一歩にする投票だった.

 そして、その結果は、僅差で大阪市の廃止を認めないというものだった.大阪市民の選択が正しかったかどうか判らないのだが、今のところ現状維持で過ごすそうだ.

 政令指定都市が一強で他が弱いという県は道を含めて多数ある.効率化の点で言えば、市の代わりに区ができるため本当に効率化されるかどうかわからない.その辺りが反対派の主張であり、今より公共サービスが低下するとのことだった.

 

 では、今回の大阪都構想、北海道に置き換えてみたらどうだろう.北海道(83,456.20平方キロメートル)は、大阪府1,896.83)と比較すると面積は4倍以上の差がある.では人口はと言うと大阪は880万人、北海道は540万人で1.5倍くらい差がある.人口密度は雲泥の差であることは明白である.

 大阪は面積が小さく人も多い、北海道は面積が大きく人の密度が少ないというのがこんな数字を持ってこなくてもまるわかりである.では、北海道を市町村単位ではなく北海道を一つとする単位に変えるとどうなるだろう.そうなると北海道もやはり政令指定都市札幌の存在が大きくなる.

 札幌市の人口はおよそ197万人である.その数は北海道の人口の3分の1.そうなると北海道を区単位に分ける(おおよそ5,60万の人口)とすると札幌を4分割することになる、更に他の区域はどうなるかというと広大な区割りになってしまう.大阪と比較しても北海道を行政効率の良い地域に分割することの困難さが判ってもらえると思う.

 

 だからと言って北海道のこの行政区割りを放置することはできないだろう.つい最近話題となった寿都町神恵内村の核廃棄物処理の文献調査も元々は、北海道の地方自治体の脆弱性にある.その前は夕張に代表される赤字自治体の問題があった.今のままでは各地方自治体が破産するのは予想されることなのである.それを手をこまねいてみているしかないとしたら北海道は存続できなくなるのは明らかである.

 超高齢化社会を迎える時期は目前に迫ってきている.この先に確かなものは何もなく、観光立国でにぎわってきた部分で今回のコロナ過は、その問題を一気に加速させるに十分な事件であった.

 今回の出来事で北海道の未来は、言うなら過疎化の問題は10年ほど加速させたと言える.間違いなく我々の生活に及ぼす影響は大きく.これから北海道で暮らす道民の生活をどうしていくかを早急に考えなくてはならなくなった.なるようになるさという考えは、既に死んでいる言っていると同じである.

 まず北海道で考えなくてはならないのは、市町村単位の地方自治の在り方を将来に渡り続けていくのかそれとも新しい枠組みを考えていくのかである.今の市町村単位での自治は考え直す時期に来ている.

 まず手を付けるべきは、今の行政コスト下げる必要がある.少なくとも市町村単位の事務作業は、北海道が担うべきだろう.この作業は一朝一夕でできることではないが、行政システムの共通化を行い事務作業の内容を均一化し、そこにITの力を注ぐ必要があるだろう.

 今回のコロナ過で在宅ワークが進んできているが、それに伴い事務作業も効率化の必要性が迫られている.色々な企業が在宅ワークに向けた仕組みを構築し始めている.その枠組みを行政に持ち込みリモートで事務作業ができるようにし、事務作業も定型化すれば可能と思われる.定型化した部分の作業はAIでも可能だろう.

 

 

 

 こんなことを考えると将来はロボットあるいはAIが人間を超える存在になりそうと思えてくる.効率化を追求すればするほど人間は多くの非効率なことをしているのだなとつくづく思う.

 本当に人間でしかできないことは何かと考えていくと何もないのではないかと思えてくる.人間は地球上に一時存在した希少種という歴史が生まれそうで怖い.