日本の取るべき道は

 曇り、気温は4度.すこし肌寒い.

 

 

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 こういったニュースを見ると心が痛む.何故なら軍事クーデターが起きなければ普通に生活していた人は今でも普通に生きていただろうからである.

 日本でこのような事態が起きたとき自分ならどう思うだろう.生き延びるために軍事政権に服従するのか、それとも命を掛けてでも自由を守ろうとするのか?

 しかし、今のミャンマーでは、そういった反対の行動を取らない人も無差別で銃撃されている.軍事政権にとって一般人の命は空き缶のような存在で銃で撃つのはゲームのようになっているのかもしれない.

 

 スーチー政権がミャンマーにでき、民主主義が少しずつ国民に浸透し始め自由をもっと獲得するために軍部との距離を取ろうとした時にこのクーデターが起きた.それは本来国民を守るための存在である軍が、本当は自分たちの権益を守るための存在だったことの表れである.

 

 それに対して国際社会は、なんの力も内容に見える.今までもアフリカで起きた内戦や軍事クーデターに国際社会は無力だった.国連軍という存在はあるが、今は機能不全に陥り、国連が介入して紛争を解決するという方法がとられることは無くなってきている.

 国連部隊は、治安維持のために送られるため、自分達が直接攻撃を受けない限り戦闘行為はしない.だから、今回の軍事クーデターに対して国連軍を派遣することは無理だろうことは承知である.更に国連は、常任理事国という制度があり、その国が一つでも反対すれば実行できない.その常任理事国の中国、ロシアもそれぞれ脛に傷を持つ国であり、自分達の行為を正当化するには、今回のクーデターを黙認するしかない.これに介入すれば自分たちの国も国連に介入される恐れがあるためである.

 

 翻って日本である.日本政府は慎重である.慎重であるというのは柔らかい表現で、本来の表現は、無力であると言い換えたほうが良い.

 日本政府は、今まで同様、白か黒を示せと言われたら必ず灰色を選択する国である.日本国内の世論がどうであろうと自分たちの主義主張は隠し、触らぬ神に祟りなしを貫く国である.それが今の世界を作るのに悪い方に貢献してきたと言って良い.

 

 中国で天安門事件が起き、世界は中国を拒絶した.その中でも日本は、中国への制裁には加わらなかった.却って中国に手を差し伸べ経済援助や国内企業の中国への製造拠点の移動してきた.それは、日本の下請け工場としての能力を中国に期待したからである.日本の製造業が衰退しようとも中国と共存する道を選んだのである.

 そして見事中国は、その時期を乗り越え日本を抜きGDP世界2位の大国となった.そしてその経済力とともに世界を自分達の思想で飲み込もうとしている.既に世界は中国は危険だと認識されてきている.このまま中国が統治能力を他国に輸出すれば自由主義国家は消え去ると認識したからである.

 しかし、その世界の中で日本の態度は不可思議である.日本の産業を支えるために今ここで中国と縁を切るのは得策ではないと考えているのだろうが、もう少し深読みすれば中国式の統治方法を採用したいと考える勢力がいるのではないかと.

 日本の未来は決して明るくない.既に少子高齢化が始まり国力は弱まっていくと考えられている.本当に小国になった時今まで通りアメリカは同盟国として尊重してくれるか疑問に思っているのだろう.寄らば大樹の陰の理論から言えばアメリカの葉陰が弱まれば隣にある大樹の葉陰に避難する方法を探っているのかもしれない.それが智力というものだと考えているのだろう.しかし本当の智力は、そういったことを国民に知られないように実行することである.少なくとも敵を欺くためには味方を欺く必要がある.

 しかし、今の政府、自民党にそんな智力を持つ軍師が存在するとは思えない.却って日本を間違った方向へ誘導しそうで恐怖を覚えるのも事実である.