ゼレンスキー大統領の国会演説

 曇り、気温は0度.すっかり人の歩く道路はアスファルトが顔を出している.そのアスファルトに薄っすら霜が降りていた.そろそろ渡り鳥が北に変える時期だが、今年はまだ雪が残り地面に草が出ていないため動き出しが遅そうである.

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 昨日国会でウクライナのゼレンスキー大統領がオンライン演説を行った.演説内容を同時通訳で行ったのだが、訳し方が直訳に近いものであるため彼が伝えたいニュアンスなど細かい部分は上手く伝わりにくかったと思う.新聞などにも訳文が載っていたが、同じ言語を使わない身としてもきっとその言葉に韻を踏んでいたり隠された意味があるはずである.

 

 その演説の件で色々なところからの情報が付いて回るわけで、Twitterでは林外相の行動とか、鳩山由紀夫氏、鳥越氏の話題が流れていた.何故か誰かの反感を買うであろうことは拡声器のように拡張されてしまう.その部分はSNSの負の部分だと思う.大多数の意見より少数の意見が反論のために取り上げられそのためことさらその最初の言葉が大きく響く結果となる.

 

 きっと昔のマスコミが幅を利かせていた時代にはそんな言葉は直ぐには伝わることはなく取り上げられたとしても一テンポ遅れて伝わることで多くの人の目に伝わることは無かった.それが所謂緩衝材となっていたのだが、今ではそれがリアルタイムに伝わってしまうため波紋を大きくする.これに関しては少しゆとりができるようになって欲しいし、発言者も直ぐに反応することが全てではなくその発言によりどんな影響があるか考える時間も必要である.

 

 Twitterで発言を繰り返す人は、その辺りの影響を考えずマッチのようでもある.こするとすぐ発火する意味であるが、そういう人に限ってTwitter上の発言を口を滑らせたとか誤解を与えたとかで何もなかったかのように逃げ出してしまう.そこに言葉の重さというものが無い.そもそもTwitterに永続性を求めてはいない表れである.

 

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 さて本筋のウクライナ大統領の言葉であるが、ちょっと感想を書きたい.

 

 演説は、日本の援助への感謝の言葉から始まった.そしてチェルノブイリ原発事故の話は、日本の福島の原発事故に通じる話である.日本人なら原発事故の恐ろしさを実感しているだろう、その恐怖をロシアが行おうとしているとの思いを込めているのだろう.

 更に化学兵器の話へと続く.その中に出たサリンは、オウム真理教の事件のことを日本人は経験しており、それがロシアによってウクライナ人の殺戮に使われるかっもしれないという現状を訴えているわけである.

 

 そして空爆により多くの人が犠牲になり街が破壊されている話となるが、これは第2次世界大戦のアメリカ軍による空爆東京大空襲に言及するかと思ったがその表現は無かった.これはウクライナにとって大事な後ろ盾のアメリカを刺激したくなかったものと思う.

 

 話は、ウクライナに対するロシアの行為について国連の安保理は機能しなかったことを訴える.その中に「誠実の注射」という言葉があるが、この言葉を自分はロシアに反戦という言葉を繰り返しても効果がなく今いるロシア人に直接訴える何かが必要であると解釈した.それは、プロパガンダも必要だが、国内で革命を起こすような何かではないだろうか.

 

 そして、ロシアの今の侵攻が「津波」と表現され、東日本大震災津波によって起きた犠牲者及び避難する人々がいたことを例えたものだと思う.多くの避難した人も故郷を忘れず帰郷することを望んでいるはずであると訴えた.

 

 最後に今の国連に変わる平和遂行の機関の設立について日本の協力が必要だと訴える.更にウクライナは日本に対して親愛の情が有り、これからもウクライナを支持してくれることを望むというような形で演説を終えた.

 

 これに対して、日本の国会議員は何を思ったのかの情報発信は鈍い.自分と同じように同時通役では直ぐにその演説の意味を理解することはできなかったのではないかと思う.演説終了後岸田総理は早速反応を示した.

 

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 これは演説前に事前に考えた言葉だろうと思う.もし、国民に訴えるなら演説の内容に言及しながら発言しただろうとおっもうからである.その辺りの立ち回り方は下手だと思う.

 もし有能な政治家なら新しい国際機関の発足に対して日本がリーダーシップをとって築き上げる努力をするとかなんとかいっただろうと思う.自分がこの先出来るか結論を出してから発言するのではなく日本は武力援助はできないのだから、その代わりウクライナのために何か行動する勇気を表明すべきだったと思う.これに関しては実現は直ぐには困難なことは素人でも明らかであるが素人と総理大臣が発する言葉の違いは大きいからである.

 

 戦争については、これ以上の犠牲者が増えることは許されない.早急な停戦が必要だろう.しかし、国としての存亡を掛けているウクライナと自分の思いだけで戦争を行っているプーチンの行動は、国と国との合意が必要な停戦交渉を困難にしている.ロシアの戦いがプーチン一人に依存している現状に対してロシア国民が行動を起こしてくれることを願うばかりである.これ以上経済制裁を行っても効果が表れるには相当な時間が必要になり、その間にも犠牲者は増えていくという未来しか見えない.