ペロシ下院議長台湾訪問

 曇り、気温は20度.風が吹いているので体感は20度を下回っている.天気図を見ると東北に前線が掛っており北海道には影響しない感じである.当初の天気予報では、今週一杯雨マークが付いていたのが変わり曇り晴れになっている.天気予報の数日後は当たらなくなっている.

 

 天気予報については、長期予報は精度が低いのは当然なのだが、気象衛星からの情報など昔から比べれば格段に情報量が増えたはずだが、それほど予報精度が上がった感じはしない.予報精度が上がったのは一日後の天気位の気がしている.雨雲レーダーなどで短時間の雨予報の精度も確実に上がっているが、2日後、3日後になると徐々に怪しくなり1週間後の天気はかなりアバウトになる.それが気象の複雑さであり魅力でもある.

 あの日本列島が描かれた低気圧と高気圧の等高線から未来の天気を予報するというのはある意味職人技である.例えば海も山も近くになく平面しかない地域であれば予報精度は上がると思われるが、日本のように山が近く海も近いとなれば不安定要素が増えてしまい.一つの数値のブレが大きなブレと直ぐになってしまう.更に世界的な異常気象は、その精度をさらにくるわせていると思われる.

 

news.yahoo.co.jp

 昨日、台湾をアメリカの下院議長であるペロシ氏が訪問した.それに猛反発する中国はアメリカに対して脅しを掛けていたが武力衝突などは起きなかった.アメリカ側にすればこの時期中国は抗議はすれど攻撃はしないと読んでいたのだろう.この訪問が今後の米中関係をこじらせる切っ掛けになろうとも世界にアメリカの存在を見せつける必要があった.

 ウクライナ戦争にはアメリカは武器の供与はするが軍隊の派遣はしないと決めている.その姿勢は昔のようにベトナムや中東に軍隊を派遣しドンパチやっていた頃とは180度方針転換した形で有った.

 台湾もこのまま現状を認めれば中国が侵略し手出しできない状況に陥りそうな状況になってきていた.ウクライナの周辺にはNATOという軍隊が存在しているためアメリカが直接手出しする必要がないと思っているのだろうが、台湾は違う.台湾の周りには韓国や日本が存在するが、日本は平和憲法の縛りから軍隊を派遣することは無く、韓国もどちらかといえば中国寄りの姿勢を見せているため頼りになるのはアメリカしかいない状況である.日本にアメリカの米軍基地があるため中国が台湾進攻した場合、対抗するのはそこしかない.

 アメリカにとって大西洋はEUと共同管理しているような形だが、太平洋はアメリカが面した広大な地域である.アメリカにとって太平洋こそ自分達の庭で有り、そこに割り込んで面積を減らそうとしているのは中国ということになる.太平洋はアメリカにとって自由に航行できるプールである.

 アメリカが守ろうとしているのは太平洋で有り、そこで拠点となるのが日本であり韓国である.もっと言えば台湾がアメリカと協調して動くことがこの先も望まれている.

 第二次世界大戦後、アメリカは世界の1強となった.そこから派生するのは広大な北アメリカを開拓したジョンブル魂だったのだ.しかし、アメリカが富の中心となると共に多くの人が移民してきてある意味国としては国民の結びつきが弱体化して来た.その鬩ぎあいがこの一世紀だった.世界の警察として君臨してきて国力を見せつけていたのが、インターネットなどの技術革新が世界に平等な情報を与えるようになり技術の優位性が徐々に崩れたところにアメリカの弱点があった.今でもアメリカは情報の中心だが、アメリカを拠点としない情報発信が増えると共にその優位性が失われ始めている.後一世紀も経てば情報の発信地はアメリカではなくなり中国あるいはインドになっている可能性も出てきている.もっとネットワークが強化されればどこに住もうと情報は平等な世界になっているかもしれない.

 今の中国は、情報の制限を国内で行おうとしており、そういう意味で閉鎖的な国家になろうとしている.その傾向からすると中国は一歩下がった位置に後退せざる得ないかもしれない.しかし、情報の渦は制限すればその障壁を破壊しようとする.その暴力的な圧力に国家が今後も耐えきれると思えない.

 そう考えると今の米中の争いの行方は世界を巻き込んだ争いなのだが、武力以外のところで今後の世界の生末が決まるのだろう.その意味で台湾がどちらに転ぶかはその前哨戦に間違いなくなっている.