岐阜 vs 札幌

 昨日の試合。岐阜長良川競技場で行われた。CSで見ました。

 夏に向けて、気温の関係からナイターとなった。何時もならナイターの照明が明るいはずなのに、省電力の関係から照明を落としている。そのため、所々に明暗があり、一昔前のテレビ放送のような懐かしさを覚える映像であった。

 

 試合は、札幌が開始早々先制点を入れるという展開となる。岐阜は、現在最下位である。これは完全に試合プランを壊されたことだろう。

 何時もの札幌の立場におかれてしまった。ここからどうやって同点に追いつき逆転していくのか、その経験の積み重ねや、絶対的なストライカーが居れば話は簡単なのだが、そういった選手が居なければ、偶然に身をゆだねるしかない。

 そのため攻めるのだが、それをゴールのチャンスに結びつけることができない。例えば、ゴール前にフリーの選手がいてもミドルシュートを打ってみたり、ドリブルで切れ込んでボールを失ったり、周りの味方の選手を感じながらプレーができない。

 個々の選手の感覚だけで攻め込み、周りが得点を取るイメージを共有できなければ得点を入れることはできない。そこで偶然に頼るしかなくなる。

 ピッチ内に監督が居て指示を出すことができれば選手全員に攻め方の変更を伝えることができるだろうが、開始早々の1点のビハインドが作戦を狂わせる。選手は、どうしていいのかわからず混乱する。それはJ2のチーム全部に言えることである。

 そして更なる悲劇が岐阜を襲う。なんでもないシュートミスのボールを、GKが何故か足でトラップしようとして自分のゴールに入れてしまうというミスを生む。

 見ている人も何故あのボールを足でトラップするのかと思ったはずである。手で捕球しても良いし、そのままゴールラインを横切るのを待っても良い筈だった。しかし、最初の一点がGKの判断を誤らせたのだろう。

 幸運な追加点は、さらに一層札幌に心の余裕を与えた。決して岐阜にチャンスは無かったわけではない。何時もの札幌の甘い守備は、相手にチャンスを与える。しかし、岐阜に得点が入らない。それはまさしくグループ下位に沈むチームであるという理由が判る状況である。

 そして更に相手DFのパスミスから、札幌に追加点を許すという追い打ちがあり、PKで一点返して試合終了となる。

 下位に低迷するチームが負ける試合の筋書き通りの典型である。もし最初の得点が岐阜に入っていれば、結果は全く逆になっていただろう。

 こうして、何時もの札幌らしからぬ試合展開で、札幌の勝利。

 試合後の、インタビューで得点を決めた横野選手が感激のあまり声が詰まってしまった。見ている方はもらい泣きをしそうだったが、彼にとってこれは通過点である。これを最後にするのではなく次々と得点を決めていかなければ、かれは来季札幌に残れないかもしれないのである。

 本当なら笑顔で、こんな得点は簡単だったと豪快に笑い飛ばすことができる選手であって欲しかった。