瓦礫処理

 晴れ、気温はマイナス5度前後、日中はプラスになるだろう。

引用 読売新聞(http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20120310-OYT8T00043.htm) 

東日本大震災で発生した震災がれきの処分を巡り、受け入れを拒否した札幌市の上田文雄市長の発言が波紋を広げている。市役所には9日、道内外から賛同や批判など100件近い意見が殺到。道議会の議論にも飛び火した。

 「被災地の方はどんな思いで受け止めたのか。ひとかけらも思いやりがない」。札幌市手稲区選出の角谷隆司道議(自民党・道民会議)は9日の道議会一般質問で、上田市長の姿勢を厳しく批判した。問題視したのは、上田市長が8日の市議会特別委員会で、国が安全とするがれきの放射性物質の基準に不信感を示した上で「現場で押さえ込み、国が責任を持って何十年も何百年もしっかり管理すべきだ」などと主張した点だ。受け入れ先の自治体を探す国や道の動きに水を差しかねないからだ。

 札幌市にも9日、上田市長の発言に批判的な声が32件寄せられた。「日本全国で協力しあう時なのに身勝手だ」「国の基準が心配なら、独自に調べたらどうか」などの内容だった。

 一方、上田市長に賛同し、受け入れに反対したのは64件。札幌市出身で沖縄県在住の人が「安心して帰省できる札幌であってほしい」と要望するなど、道外からの意見も目立ったという。


 本来なら瓦礫がある近くで処理できればある程度問題は起きなかったのだが、全て津波で流された場所にそういった処理ができるところは無い、更に処理施設を作るためには、今のお役所仕事なら5,6年は直ぐに経過してしまうだろう。

 今の復興に必要なのは、まず瓦礫をきれいにしなければその後の土地利用などの問題が片付かない。それを日本人として受け入れるか受け入れないかの問題になる。

 札幌市の上田市長の判断の根拠は、放射性物質の放射線量の安全基準らしい。それをどう受け入れるか、その感受性に人それぞれの濃度差があるだろう。それは体と同時に精神的な感受性という事である。
 それをどのようにして片づけて行くのかが指導者の役割だろう。今の現状で賛否両論ある中で、どちらに決めたとしても批判は起こる。

 今回の福島の原発の事故で、福島はもとより北海道までその放射性廃棄物は飛んできている。今の時点で既に北海道の土地に放射性物質が含まれている。
 その上でそれ以上の放射性物質を増やしたくないという心情は理解するが、その安全性を確かめたうえで、安全に処理すれば処理場の周辺で放射線量の増加は考えられない。

 放射性物質も大量に浴びれば人体に影響はあるのは間違いない事実である。しかし、安全基準以下の量であれば影響が無いと言えるだろう。

 本来ならあの瓦礫も上手く処理できれる施設を地元に作れば復興の大事な力になるだろう。それが出来ないところにジレンマがある。
 
 もし受け入れをあくまで拒否するのなら、瓦礫の地元での処理ができるような人、物、金の提供をすべきだろう。それは他の受け入れを拒否している自治体にもいえる。
 
 だけれども、本来なら東北の人に何の罪もない、津波で家財を消失し、残ったのは瓦礫で、更に自分の地元には無かった原発、それも東京に電力を供給するために作られた原発の事故で自分たちが住んでいた土地を汚され、その瓦礫処理を誰も手伝ってくれないとしたら、もし札幌が同じような被害に合い、市内の中心部に山のように積まれたものの処理を札幌市が何年も掛けて行わなければならないとしたらどう思うだろう。
 今回の拒否が、もしかしたらこれから起きるかもしれない災害時にだれも救いの手を差し伸べてくれないとしたら、そういった発想もしなければならないだろう。