IT

 曇り、気温はマイナス10度以下と寒さは厳しい。


 現在のネットワーク環境は、20年前と比べれば格段に進歩し、家庭でも外でもインターネット環境を手軽に手に入れられるようになった。

 その変化は、劇的と言っても良いのだが、現在を生きる人間にとってそれは当たり前すぎて驚くことでもない。

 年寄りにとってそれが当たり前と言われると何だかつらいものが有る。確かに時代は、20年前と違う。会社内のイントラネット環境も、近代化しようとすればお金を出してIT企業に丸投げすればそれなりの環境が短期間に構築できる。便利に使おうとすれば、その費用は莫大なものになる。そんなことは誰もが判っているのだが、その費用が無い場合は、手作りするしかない。

 その金が無いのに、今の時代の環境を手に入れようとして無理難題を吹っかけてくる。費用を掛けずに同じ環境を手に入れようとすることが如何に大変か普通の人には理解できない。

 それは、陰で何かやっているくらいの感覚でしかない訳で、逆に余りにも素晴らしいと、こんなのではなく昔の方が使いやすかったなどとほざいてくる。

 

 商売として利益を上げる上げないの戦いを行いながら顧客満足度を上げる努力は企業として当たり前である。それに見合った対価がついてくるからである。社内のIT化はそうではない。

 それを行う部署が高額なIT化予算を組めば、当然利益を生まなければそれを抑えようとする。あるいは自分たちで費用を掛けないでそれと同じことをやれと最初に言われてしまう。そうではないのである。それが出来るようにするには、それなりの予算が必要なのである。あるいはそれが出来るスキルが必要である。それで初めて新しい事業ができるわけである。

 

 そういうわけで、自前でそういった事を行うこと自体が、どうしても顧客優先では無く自己満足なシステムに陥りがちである。それをいかに防ぎ、縁の下の力持ちで居られるかがIT技術者の腕の見せ所ではあるのだが、中々そこに到達できる技術者が育っていないのが現状である。