飛ぶボール

 曇り、気温マイナス2度。朝5時頃突然降り始めた雪があっという間に5cmの積雪となった。また冬に逆戻りした感じである。


 プロ野球の統一球問題、以前は確か統一していなくて各球場で色々なメーカーの物を使用していたはずである。鳴り物入りで導入した統一球は、反発係数というルールに縛られているわけだが、これも使用する原料や材質が変われば変化し、更に気温、湿度に左右される。

 

 ご存知の通り公式ボールは皮でできている。この皮も、皮製品を使用していれば判るが、適度に水分や油分を含んでいるもので、それが抜けてしまうと固くなる。そのことは誰もが知っていると思うが、もし、反発係数で管理するなら、製造から使用するまでの間、湿度、温度管理された保管庫にしまい、使用直前に取り出さなければ意味は無い。

 更に原料も、全く同じ品質のものを何年も渡って使用するのは至難の業である。輸入先や製造先が変わればそれだけで材質は変化する。ボールの真の部分や真にまかれる糸などの関係からそれぞれの複合した要因が反発係数を決めていることになる。

 というわけで、飛ぶボール飛ばないボールという議論があるが、ある程度反発係数を揃えないと、日本の球場サイズに合わない場合、ホームランばかりの大味な試合に成るし、飛ばないボールだと、凡打ばかりのつまらない試合に成る。

 このバランスを何処で調整するかも野球の試合という意味で重要な意味を持つ。もし、使用する球団が、同じ公式球でも飛ぶもの飛ばないものを揃えられるのなら、対戦相手毎に取り換えて使用することができる。乱打戦にしようと思うなら飛ぶボール。投手戦にしたいのなら飛ばないボールを使えば試合を操れる。

 そういった小細工が通用するとなれば、八百長問題と直結するために、簡単な対応では済まされないだろう。