晴れ、気温は17度。
土曜日は、厚別に札幌の試合を見に行った。相手は岐阜だったのだが、選手については殆ど知らなかったのだが、家に帰って録画を見てびっくりした。
何故かというと相手ゴールキーパーが元日本代表の川口選手だったからである。驚いたというのは変だが、札幌の惜しいシュートを3本防がれた理由が判ったからである。宮澤選手のシュート2本と砂川選手のFKの内どれか決まっていたならゲームは札幌のペースで終わっていただろう。
それを同点まで追いつかれ試合が拮抗したのも川口選手の力だろう。そしてもう一つ、背番号11の選手が良い動きをしているなと思ったらあのサントス選手だったそれも録画を見て気付くのだから、如何に相手チームの事など気にしていない証拠である。
試合は、ロスタイムにチョン選手のゴールで札幌が逃げ切ったが、そもそも苦しいゲームに成ったのは、財前監督の考えが選手たちに伝わっていない証拠である。相手のラモス監督の方がまだ策を知っている。
その理由の一つが砂川選手の代りに内村選手、怪我の上里選手に代えて石井選手を入れたことだろう。それによって宮澤選手がボランチに下がることでバランスを取ろうとしたのだろう。しかし、前目で相当走っていた宮澤選手に体力が残っていなかったか、守りの意識が強すぎて中盤を開ける展開になってしまった。それまでは、前で積極的な守備をして良い球を上げさなかったりパスコースを消したりと良い働きをしていた、更に前で攻撃に絡むことで後ろと前のつなぎ役の役割を果たしていたのである。
宮澤選手と同時に前後のつなぎ役をしていた砂川選手と宮澤選手を変えて下げたのだから、後ろからのビルドアップは、縦に大きく蹴るという言うなら縦ポンに変わって行ってしまった。更に交代で入った石井選手が攻守に効いていなかった。
そのため中盤でフリーでボールを回す岐阜に対して札幌の守備はゴール前を固めるという意識に変わってしまったが、如何せん札幌の選手の守備的なリーダーが居ない所が、この順位にいる理由の一つであるのだが、人数は一杯いても相手に寄せるマークするという所が出来ていない。そのため初めて舞台に上がる新人俳優ばかりのような混乱をもたらした。
これは、本当に解消しなければこのままJ1にもし上がったとしても、ズタボロにされるのは目に見えている。奈良選手、櫛引選手がJ1で普通にプレーできるには後２，３年の経験が必要だろう。それでも周りに優れた技能を持ったDFの選手がいるなら別だが、そういった脂の乗り切った選手はいない。MFに小野選手が入り、今いる多くの若手の手本に成るだろうが、DFの手本となるような選手が居ない。その所の補強が急務だろう。
改めてみると、今の札幌の選手構成はいびつである。けが人が多いという事もあるが、得点を決められるFWが居ない。内村選手、都倉選手と爆発すれば得点できるプレーヤーはいるのだがその波が激しすぎる。
更にMFには人数が若手も含めて大勢いるのだが、どれもこれもがやはり1流に達していない選手ばかりである。それをいくら束ねても一流にはならない。その能力を最大限発揮しても一人の一流には叶わない。この辺りは、他のJ2のチームも同じなため、相手チームとの差は生まれない。
DFは見ての通り、柱が奈良選手なのだが、もう少し経験が欲しい。それ以外はよく頑張っている。タイプ的には日本代表の今野選手に近い。
本当にできることなら今野選手に戻って来て欲しい。彼の危機察知能力は素晴らしい。世界レベルだと体力的に厳しいがJ2レベルではまだまだ神のような存在に成れる。もうそろそろ札幌に帰って来ても良い時期だと思うのだが、それはこっちの身勝手というものだろう。
という事で、開幕前に自動昇格を目指していたが、今のチームの選手の能力、監督の能力合わせてまだまだ熟成が必要である。しかし、残念ながらJ2レベルでは熟成を待つ時間は無い。J1に上がれなければ有望な選手は、どんどんJ1に個人昇格してしまう。鳥栖や仙台がJ1に残れているのも熟成するのを待っているのではなく、手持ちの駒を上手に使い、足りない所を補強しながら監督の力でJ１にいるのである。
熟成という言葉は、サポーターを目くらましさせる耳触りの良い言葉であるが、J1に上がれない間、札幌の有望な若手はどんどん出て行く。熟成などという言葉はお互いを不幸にする言葉なのである。
それにしても今の札幌に足りないものは多い。残ながらその足りないものの一つが監督の手腕である。確かに札幌の器に合った監督というのならそうだろう。きっとそれ程高額な報酬を得ているわけでは無いだろう。良い監督は、多く居るだろうがその監督を雇うにも高額な費用が掛かる。財前監督にそれを求めるのは酷だろう。
というわけで、今季の目標は、6位以内というのが現実的な目標である。その位置には何とか食い込める可能性がある。だからと言って6位以内で昇格しても1年で降格するだろう。でも昇格しない理由は無い。そこを諦めては明日は無い。
