経験値

 晴れ、気温は21度。


 昨日、部下が失敗した。その部下は、優秀でありそんなことをするわけはないと思っていたが、思い込みから実行してしまい、結果不味いことになってしまった。

 その後始末は仕方ないとして、その時思ったのは、やはり経験値というのは大事だという事である。年齢を重ねて体力やひらめきに関して劣って来るが、長年培った経験はそういう所に影響するのだと思う。

 決まりきったルールに従って行う業務だとしても、時折それから逸脱することがある。自分の方は、何時もと同じように対応しているのだが、外部から何らかの影響を及ぼされるからである。

 

 その外部から影響を及ぼす経験を一度でもしていたり、或いは似たようなことを経験したりしていれば、その経験から何となくこのように動けばいいのだろうと考えることができる。

 しかし、そういった経験が一度もなく、咄嗟に判断を下さなければならない時に慌ててしまい、間違った行動を選択してしまうということは起きうることである。

 ただし、経験を積んだからといっていつも同じように事が運ぶとは限らず、どこかに落とし穴が存在するのは、経験の多寡ではないので用心するにこしたことは無い。

 ただし、幾らかの経験は心を平静に保ち何らかの判断を下すのに好影響を与えるのは間違いのない所である。今回も、そういった経験を積むことで成長できれば結果的にそれは問題ないことに成る。

 そうやって部下を見ていると、その経験から学び、それをまた他の事に対しても応用できる人間は成長できる人間である。幾ら経験を積んでも応用の効かないタイプもいるし、経験が糧に成らない人間も存在することも事実である。

 人間は、成長するが、体は成長しても、心は成長していかないか、普通の人よりスピードが遅いというのもある。それはそれで、その人を使う側がそれを理解して上手く使えれば最適だが、その使う側の人間が経験値を生かせないのにもかかわらず上に立ってしまうとそれなりに悲惨である。

 その人間を上に上げる理由は、色々あるが義理とかしがらみあるいは能力が低い人間を上に上げることで自分の優位性を保ちたいなどがある。

そういう環境で生き延びるには、やはり野生動物のような勘で生きなければ生き残れないということもある。それはまさしく運命のようなものである。幸運は度々来なく不幸は何時でもやって来る。