変化しない日は無い

 曇り、気温は12度.雲行きは怪しく雨に変わりそうな雰囲気である.

 

 桜の季節が終わり、街並みにグワッというような感じで緑が溢れてきた.その変化は驚異的でもある.最初は芽だったり閉じた葉だったのでそれが一斉に開くとあっという間に緑に変わった感じを受けるのだろうと思う.あれだけスカスカだった枝も緑の衣装を纏い表舞台に出てきたようである.

 寒さも相変わらずだが、その寒さも暑さに振れると夏がやってくるのだろう.その感覚は毎年のことなので体が覚えているのだが、やはり寒さの方の記憶が勝っているようだ.毎年、夏が近づいているのに寒いという記憶しかない.

 

 季節が変わるということはそれだけ時間が変わっていくことの証である.人間の平均寿命が80歳位だとするとせいぜい夏は80回程度しか経験しないのである.その回数が多いか少ないかと言われれば少ない経験回数で物を言うことになる.それは終わりを迎える時が来る時であって若いころには自分の経験ではなく何かの媒体で得た情報で語っているだけである.

 

 だから、ずっと過去にどういう状況だったかは知らないし、数年前の夏がどういった夏だったのかも記憶が無いのだから新しい季節は、やはり初めて経験することでしかない.

 人間は、どうしても常識あるいは先入観にとらわれてしまう.5月という季節を一括りにしてしまい、春の陽気やポカポカ暖かくなる日々を想像してしまうものである.しかし、想像した日々が直線のように変化するのではなく、雨が降ったり寒くなったりと変動を繰り返しながら変化していくものである.

 

 毎日の日常が決まり切った流れで進行していてもその日は必ず違い少しづつ変化するものである.たとえ大きな変化で気付かないようなことも別の場面では進行しており、それがやがて自分にも影響してくるものである.

 例えば明日が毎日必ずやあってくると考えていてもそれは突然消え去ることもある.