一面

 晴れ、気温は23度。

 今朝のニュースでいえば、ギリシャの件がどれも一面扱いなのは判る。

引用 読売新聞(http://www.yomiuri.co.jp/world/20150713-OYT1T50053.html

欧州連合(EU)のユーロ圏19か国は12~13日に開いた首脳会議で、ギリシャへの金融支援再開の協議に入ることで原則合意した。

 支援額は最大860億ユーロ(約11兆7000億円)にのぼる。ただし、ギリシャが提出した構造改革案を15日までに法制化することを条件とした。ギリシャ財政破綻とユーロ圏離脱は回避される見通しとなった。

 世界恐慌の引き金を引くかと思われた件、取りあえず3日間の猶予が与えられた。やはりEUギリシャ問題を軟着陸させなければ、その後に連鎖反応のように起こりかねない離脱を回避させたい思いが譲歩を引き寄せた。

 ギリシャも自分たちが破綻すれば何が起こるか判らないという脅しに上手くEUが乗ってくれたと思っているだろう。破綻すれば何も残らないのだとすれば、却ってくそ度胸がつく、ここで粘れば利益が得られるという思いだろう。しかし、その法制化に時間が無い状況で上手く政府が機能するか見ものではある。

 その次に興味が沸くのは、やはり中国問題だろう。中国株の半分程度が取引停止を行いながらも株式市場を運用し、昨日の上海総合指数も2.39%上昇し3,970.39で終わった。噂では売り買いの内買いはできるが売りが出来ないとのことだったが、相場が上下しているので確実に売り買いはあるようだ。ただ取引は少なく細々と行っている。

 これも個人で売り買いしている株主に対して売りを認めている様である。それも個人の損失を政府が補てんしている形である。大口は凍結らしいので今後取引停止の株の値動き次第ではまた大きく下げることに成るが、その辺りは、中国政府の伝統芸で、株が大きく下がるようならその原因を生んだ売主はどこかに行方不明になる確率は高い。その無言の圧力で相場を維持しようとしているのだろう。

 この政府のなりふり構わぬ政策は、一時的には暴落を防がるが、将来的には取引停止の会社は国有化せざる負えなくなりその負債を一手に抱えることに成った場合、元の価値は極端に下がるのは間違いない。今も輪転機がフル操業で元を吐き出しているのが見える気がする。

 本当に共産党一党独裁の国は恐ろしい。共産党を守るためなら人民はある意味使い捨ての道具であり何時でも補充が効くと考えていらっしゃるようだ。極端な話、1割から2割程度の共産党員が生き延びられればそれ以外の国民の暮らしは最低限度で良いということである。

 それで人民の引き締めのために、こんなことをやっていらっしゃる。

引用 読売新聞(http://www.yomiuri.co.jp/world/20150713-OYT1T50075.html?from=ytop_top

中国で人権派弁護士や活動家が相次いで拘束されている問題を巡り、共産党機関紙・人民日報と国営新華社通信は12日、公安当局が「重大犯罪グループ」の摘発を行っていると伝え、官製メディアとして初めて摘発の事実を報じた。

 人権活動を支援するインターネットサイト「維権網」によると、すでに100人超が拘束、連行されており、弁護士らは「権力の乱用」と反発している。

 共産党の一兎独裁体制を揺るがす動きはとことん排除するという政策の一環である。きっと中国国内では常識で何時もの事と思われているかもしれないが、これも氷山の一角なことは間違いない。

 この先に消えてしまうものは大きく、消えてしまったものは生き帰れない。それでもあの大国が何時ものように平常運転できる時代はそう長くは続かないだろう。

 そして極めつけは、この2つのニュースの陰になり一面を逃したこの件だろう。

引用 毎日新聞http://mainichi.jp/shimen/news/20150714ddm001010247000c.html

自民党谷垣禎一幹事長は13日の党役員会で、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案を15日の衆院平和安全法制特別委員会で採決する意向を表明した。政府・与党は16日か17日の衆院本会議で採決し、参院に送付する構え。野党側は採決の強行に強く反対しており、与野党の攻防はヤマ場を迎えている。

 この件、世論調査の支持率は低下しているが、元々自民党過半数を占めているのだから法案として上がるのは間違いない。衆参両議院でも大荒れを演出しながら本会議を通過するのだろう。

 野党にとって反対することに意義が有り、世論調査の結果を見て反対をしておけば次の選挙の際に有利と思っていることだろう。まさしく波を起こし、自民党優位の状況を変えようとしているのは間違いない。そのため衆議院解散の噂も出所不明ながらマスコミを賑わせ始めている。

 衆院解散も野党にとって風向き次第である。このまま世論が安倍政権に拒否感を強めれば浮動票が野党に流れるかもしれない。自民党も次の選挙で圧勝すれば当分は議員の椅子は安泰で長期政権が続けられる可能性が出てきたわけで、勝負に打って出る可能性も無きにしも非ずである。

 面白いモノで、この3つのニュースは一つながりでできている。日本海の海しぶきも元を質せば一つの海に繋がる。ニュースの一つ一つが何かの影響を受けて小なり大なりそんな形で生まれているのだろう。