野球の黒い霧

 雨、気温3度。

引用 報知新聞(http://www.hochi.co.jp/giants/20151109-OHT1T50173.html) 

巨人は9日、東京・大手町の球団事務所で緊急会見を開き、野球賭博に関与して謹慎中の福田聡志(32)、笠原将生(24)松本竜也(22)の3投手を解雇する方針を固めたと発表した。また、原沢敦専務取締役球団代表(59)が、9日付で引責辞任したことも併せて発表。野球賭博による選手の契約解除となれば、1969年に西鉄(現西武)の投手の八百長が発覚したのに端を発した「黒い霧事件」以来となる。

 自分がジャイアンツフアンだったのは、江川事件が起きる前までだった。その頃は、プロ野球にスポーツマン精神に則ったフェアプレーがそこにあると信じていた。ある意味純真だったのだろう。その後、その頃の大洋に鞍替えし、そしてJリーグが出来た時に野球ファンをやめた。

 別に偉そうに講釈を立てるわけでは無い。あれだけの選手を抱えているのだから、中には素行不良の人間を抱えることはある確率で起きることである。そして、その人間が周囲に与える影響も大きい。もし、そいつに近づかなければ影響を受けなかっただろうと思うと残念ということもあるだろう。

 しかし、王、長嶋が居たころ巨人と言うのは球界の中ではある意味別格だった。巨人軍の選手は紳士であれと言うだけあって無茶をする人間は居ないとされていた。まあ表向きのことであるが。

 この風紀の乱れは、球団の人気下降と同時に起きたのだろうと思う。その発端は、江川問題以降であり清原入団で加速したのだろう。

 その風紀の乱れの一端を垣間見せてくれたのが今回の事件であり、この程度の事はどの球団でも起こりうることである。いくら品行方正を言っても、相手は若者でお金は不相応に持っていればお金の使い道を誤ることは当然である。

 テレビを筆頭とするマスコミは、真面目な選手よりも何らかの武勇伝を持つ選手を取り上げようとする。ある一定のルールからはみ出したものをわざと取り上げようとする。

 更に、女性関係や暴力団関係者も人気や金の匂いにつられて寄ってくることは当たり前である。自分でも20代で億近くの金を持っていれば何に使っているか判らない。

 ただし、言えることはこの問題に関与している人間はまだいるだろう。それ以外の暴力団関係者に繋がっている選手もまだ存在しているだろう。実際に野球賭博に係っていなくてもそれ系の人間と顔見知りに成っているという選手はきっといるはずである。

 野球選手が100人いれば3割程度はそういった交友があるのは当たり前で、その3割の人間が問題を起こさないようにするしかない。時たま残り7割から問題を起こす人間が出ることもあるが、集団と言うものはそういうもので、重点的に3割を警戒することでこういった問題の多くを防ぐことはできるはずである。

 今後、不祥事を防ぐにはそういった方法を取るしかないだろう。またそれと同時に他のスポーツ界も状況は同じで、そういった集団には金に成るか成らないかが重要で、今回にわかに人気を帯びてきたラグビー選手などは標的に成りやすいだろう。

 スポーツ選手にとって活躍している時が全ての人生と考えているかもしれないが、それをやめた後の方がはるかに長い人生を過ごさなければならない。その残りの人生をどのように生きるかと言うのも実際その時間を生きて見なければ実感しないのだろうと思う。