来年は

 晴れ、気温は11度。

 慌ただしく9月が過ぎ、10月がやってきた。今年も残すところ3か月、やり残したことがないか点検しながら新しい年を迎える準備をしなければならないだろう。

 来年の話をすれば鬼が笑うという言葉がある。果たして自分の話を誰が笑うというのかわからないが、今が不安定な世の中にあって来年がどのような年になるかも予想がつかないだろう。


 明日は明日の風が吹くというが、今日も今日の風が吹く。そして、その風は日増しに冷たくなっているというのが実感である。それでも年を越せばまた暑い日差しの夏がやってくるのは間違いないと思ってはいるが、その間に天変地異が起こり気象は激変していることも考えられる。

 北海道にやってきた台風でさえも農作物に多大な影響を与えてしまう。農業というのはお天道様に左右されるのは昔からのことだが、もし来年から今までのような季節ではなく、何度も台風が北海道を直撃するようなことがあれば、この先の北海道の農業は壊滅的な影響を受けることだろう。

 

 さらに言えば、北海道の交通網が貧弱だったことが明らかにされた。道内を葉脈のように走る立派な高速道路は被害を受けずに済んだが、それ以外の地方にある道路や橋は、簡単に自然災害の影響を受けやすいことが分かった。

 さらに利用客の減った鉄道も山の中や海岸線を走る部分は土砂や波の影響を受けて土台が簡単に削られてしまう。毎年被害を受ければ復旧する費用よりも廃線してバス路線に切り替える方が得だというそろばん勘定を行うことが増えてくるだろう。

 そうなれば広い北海道の大地を行き来する導線が簡単に失われることにつながっていく。今回の災害が100年、1000年単位のものであれば納得するが、もしこれからも同じように訪れるものだと仮定するなら北海道は益々過疎化が進むことになる。

 毎年、同じ年が繰り返され変化も微小ならその変化に応じた改善を行うことができるのだが、その激変が急激であると対応がしにくいのは確かである。