みちびき 打ち上げ成功

 曇り、気温は12度。夜中から徐々に外気温は下がり続けている太陽が雲から顔を出していないので、日中の温度も上がらない。

 

 今日は、種子島宇宙センターからH2ロケットで準天頂衛星「みちびき4号」が朝7時1分に予定通り打ち上げられた。ロケットは順調に飛行を続けもう少しで衛星切り離しを行う予定である。

 

 この衛星打ち上げのライブ放送があり、それをみている。

 リンク先には、この「みちびき」についての「みちびき」7つのカン違いに答えますとういう前後編の解説があるのでそちらを呼んでもらうと良いだろう。

 また、「みちびき」についての[http:/http://japan-indepth.jp/?p=36608/:title=批判記事]も併せて読むと面白い。

 批判記事は、言うなれば他の国で行っているGPS衛星を使用すれば、日本独自のGPS衛星は必要ないという論調である。確かに今GPS衛星システムは、アメリカ、ロシア、中国、EU、インドというように多すぎるくらい地球の上空を飛び回っている。そのGPS衛星を利用させてもらえば日本独自で打ち上げる必要は無い。

 しかし、そうとは言い切れない部分は非常に多い。まず日本の宇宙への技術開発である。お金が掛かるという理由だけで、技術開発しなければこの先の技術は生まれないということである。新しいものを開発するのにはお金が掛かる、新技術を作り上げるために試作品は作らなければならないし、失敗すれば再開発の費用が掛かる。その投資無くしては何も技術的な知見は得られない。

 更に言えば、そういった失敗を防ぐ方法や技術は他国から得られるはずはない。そんなに簡単に技術を教えてくれるなら北朝鮮はもっと早くICBMを開発できるだろうし、彼らはそのために大金を使って手に入れたはずである。

 この文章を書いている間に(7時30分)無事に衛星が切り離され衛星軌道に投入された。

 もし、初期投資が無ければ、自動車は地上を走っていないし、飛行機は空を飛んでいない。日本が第2次世界大戦に負けた後、飛行機開発を禁止された。その影響で日本の飛行機開発は遅れた。作り続けない限り技術は伝承されないし、そもそも製造施設を維持することはできないし、技術者も育たない。それをふくめて開発にはお金が掛かるものである。

 それを全否定するなら、今までの日本の高度経済成長は生まれなかったし、今の日本の繁栄も存在しなかっただろう。

 では、何故「みちびき」が必要だったのだろう。色々、利用法についての説明がJAXAのページにも書いているが、基本的には宇宙開発に向けた日本の衛星技術の進歩にこのスケジュールは組み込まれたのだということである。

 この衛星打ち上げだけにJAXAは存在するのではない。この先に向けた未来に向けて存在するのである。これから先も日本は衛星を飛ばし続けなければ、世界をリードする地位にはいられない。もし、その地位を捨てるというのならロケット打ち上げ技術への投資は無駄ということになる。

 この先の本当に遠い将来、必ず地球は消滅する。それは確定された未来である。地球が消滅するまで人類は地球を離れなければこの宇宙から人類というものは消え去る運命にある。

 人の寿命は高々80年である。地球の歴史から見ればはるかに短い。その短い人の命の連鎖が人類を他の惑星に移住させる時間なのである。

 こうした技術の積み重ねを高いと全ての国民が反対の意思を示せば良い。自分の命の時間と地球の寿命を比べればほんの一瞬の出来事に過ぎないので想像できない人が大勢存在するのは否定できない。

 こうした開発を続けるために、何らかの目的が必要なのである。その理由がが今回の準天頂衛星ということになる。